クライスラー(現フィアット・クライスラー)は1995年、「クライスラー・シーラス」「プリマス・ブリーズ」のダッジ・バージョンとなる小型乗用車「ストラトス」を発売しました。その後2000年にプラットフォームを一新した2代目モデルにバトンタッチされ、2006年まで生産が続けられました。
初代は4ドアセダンのみ
初代モデルのプラットフォームは「クライスラー・JAプラットフォーム」で、ボディタイプは4ドアセダンのみの設定でした。曲線的なフォルムが特徴のエクステリアには、姉妹車種のシーラスやブリーズとは異なる意匠のフロントグリルやテールランプ、ホイールなどが備わっていました。ボディ・ディメンションは全長4,725mm×全幅1,804mm×全高1,374mm、ホイールベース2,743mmでした。
駆動方式はFFで、エンジンは2L直4(最高出力131ps)と2.5L V6(最高出力168ps)が用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、5速MTまたは4速トルコン式ATでした。また、サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン式で、ステアリング形式はラック&ピニオン式が採用されました。
2代目でリアサスペンションを変更
そして2000年に登場した2代目モデルは、プラットフォームが「クライスラー・JRプラットフォーム」に変更されるとともに、「クライスラー・セブリング」の姉妹車種となりました。ボディタイプは当初は初代同様4ドアセダンのみの設定で、スタイリングもキープコンセプトにより初代のイメージが踏襲されました。
ボディサイズは全長4,856mm×全幅1,793mm×全高1,382mmで、先代から全長が延長された一方、全幅はわずかながら縮小されました。また、ホイールベースは先代と共通の2,743mmでした。サスペンション形式は、フロントはダブルウィッシュボーンが踏襲された一方、リアはマルチリンク式に変更されました。
駆動方式は先代同様のFFで、エンジンは2種類の2.4L直4と、2.7L V6が用意されました。トランスミッションは、先代同様5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。また、ラック&ピニオン式のステアリング形式や、フロントがベンチレーテッド型、リアがソリッド型となる4輪ディスクブレーキなどは先代と共通でした。
別設計のクーペを追加
そして翌2001年に、前年に生産終了となった「アベンジャー」の後継モデルとして、2ドアクーペ版の「ストラトスクーペ」がリリースされました。セダンとは基本設計が異なるほか、生産は三菱自動車工業との合弁会社「ダイヤモンド・モーターズ」で行われました。プラットフォームは、「三菱・エクリプス」と共通の「クライスラー・ST-22プラットフォーム」が用いられました。
セダン同様丸みを帯びたフォルムを持つボディのサイズは、全長4,849mm×全幅1,786mm×全高1,369mmとセダンよりもわずかに小さく、ホイールベースは100mm以上短い2,634mmでした。また、サスペンション形式や駆動方式はセダンと同一であった一方、エンジン・ラインナップは異なり、三菱製の2.4L直4(最高出力149ps)と3L V6(最高出力203ps)が用意されました。