クライスラー(現フィアット・クライスラー)は2007年に開催されたフランクフルト・モーターショーにおいて、ダッジ・ブランドのクロスオーバーモデル「ジャーニー」を発表、翌2008年に販売を開始しました。ミニバンの利便性とSUVの機能性、乗用車の効率を併せ持つモデルとして企画され、日本市場でも短期間ながら「ダッジ・JC」の車名で正規輸入が行われました。
エンジンは全部で4種類
「クライスラー・JCプラットフォーム」に架装されるボディはオールヒンジ式ドア採用の5ドアで、乗車定員は5名または7名でした。スタイリングは、ダッジ・ブランドのアイデンティティーである十字グリルが備わるフロントマスクや、ステーションワゴン的な洗練されたフォルムが持ち味でした。同時に、Cd値0.368の空力特性を備えていました。
ボディ・ディメンションは全長4,888mm×全幅1,834mm×全高1,672mm、ホイールベース2,890mmでした。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式で、ステアリング形式はラック&ピニオン式が採用されました。また、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式が装備されました。
駆動方式はFFと4WDが設定され、エンジンは当初2.4L直4(最高出力170ps/最大トルク22.4kgm)、2.7L V6(最高出力185ps/最大トルク26.1kgm)、3.5L V6(最高出力238ps/最大トルク32.1kgm)のガソリンNAと、2L直4ディーゼルターボ(最高出力140ps/最大トルク31.6kgm)が用意されました。これらのうち、2.7Lはヨーロッパや日本市場向け、2Lディーゼルはヨーロッパ市場向けでした。
電子ロール制御を採用
トランスミッションは、2.4Lには5速MTまたは4速トルコン式ATが、2.7L/3.5Lには6速トルコン式ATが、2Lディーゼルには6速MTまたは6速トルコン式ATが組み合わせられました。安全装備面では、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやブレーキアシスト付ABS、横滑り防止装置「ESP」、トラクションコントロール、電子ロール制御「ERM」などが標準装備されました。
北米向けモデルのグレード体系は、当初下から「SE」「SXT」「R/T」のラインナップでした。その後2011年モデルでフェイスリフトが実施され、内外装デザインの変更やサスペンションの改良などが行われたほか、3.5L V6エンジンに代わり3.6L V6エンジン(最高出力287ps/最大トルク36kgm)が設定されました。
日本市場には、2009年1月に初上陸を果たしました。グレードは2.7Lエンジン搭載FF方式の「SXT」のモノグレード設定で、右ハンドル仕様のみが用意されました。装備面では、デュアルエアコンやクルーズコントロール、運転席パワーシートなどが標準装備されました。その後、フェイスリフト版の導入を待たず2011年をもって販売終了となりました。