クライスラーのダッジ・ブランドから1959年にデビューしたフルサイズの乗用車「ダート」は、1966年に通算3度目のフルモデルチェンジを受け、4代目モデルに移行しました。それまでのモデルが不人気などのためわずか1~3年でモデルチェンジされたのに対し、10年におよぶ長いライフスパンを保ったことが特徴でした。
ボディは4タイプ
プラットフォームは、3代目モデルと共通の「Aプラットフォーム」がキャリオーバーされました。当初のボディタイプは4ドアセダン、2ドアセダン、2ドアハードトップ、2ドアコンバーチブルの4タイプのラインナップで、先代に設定のあった5ドアステーションワゴンは廃止されました。スタイリングは直線基調のボディラインを踏襲しながらも、新たにカーブド・サイドウィンドウ&リアウィンドウが採用されました。
ボディサイズは全長4,963mm×全幅1,770mm×全高1,344~1,369mmで、先代から若干縮小されました。ホイールベースは2,819mmで、先代と同一でした。駆動方式はコンベンショナルなFRが踏襲され、エンジンは当初2.8L直6OHV(最高出力117ps)、3.7L直6OHV(最高出力147ps)、4.5L V8OHV(最高出力193ps)、5.2L V8OHV(最高出力233ps)の4種類が用意されました。
それらのエンジンに組み合わせられるトランスミッションは、3速/4速MTまたは3速トルコン式ATでした。ブレーキは従来同様の4輪ドラム式ながら、2系統油圧システムの採用により安全性が向上しました。その後1968年モデルで、新保安基準に対応するためサイドマーカーランプが追加されるなど、外観の小変更が実施されました。
1年限りのホットモデルを追加
同時に、スポーティグレード「GTS」のエンジンが5.6L V8OHV(最高出力279ps)または6.3L V8OHV(最高出力304ps)に置換されました。さらにこのモデルイヤーのみのバージョンとして、軽量化を図ったボディに7L V8OHVのヘミ・エンジン(最高出力431ps)を搭載するホットモデル「ヘミ」が追加されました。
続く1969年モデルでは2ドアセダンが廃止され、代わって2ドアハードトップが設定されました。次いで1970年モデルでフェイスリフトが実施され、フロントまわりやリアまわりの意匠が変更されると同時に、2.8L直6エンジンが3.2L直6OHVエンジン(最高出力127ps)に置き換えられました。追って1971年モデルでテールランプの意匠が変更され、翌1972年モデルではインパネの意匠が変更されました。
5マイルバンパーを採用
続いて1973年モデルで再びフェイスリフトが実施され、フロントマスクが一新されるとともにバンパーが大型化されました。同時に、5.6L V8エンジンが廃止されました。続いて1974年モデルで衝撃吸収バンパー(5マイルバンパー)が採用されるとともに、新グレードとして豪華な内外装を持つ「SE」と、5.9L V8OHVエンジン(最高出力233ps)を搭載する「Sport」が追加されました。
次いで1975年モデルではフロントグリルの意匠が変更されるとともに、コラプシブル・ステアリングが採用されました。同時に、3.2L直6エンジンが廃止されました。続いて1976年モデルでフロント・ディスクブレーキが標準化されるとともに、パーキングブレーキがステッキ式から足踏み式に変更されました。
そしてこのモデルイヤーの翌年に生産を終了、17年の歴史に一旦終止符が打たれました。