クライスラー(現フィアット・クライスラー)は2005年に開催されたシカゴ・モーターショーにおいて、「ジープ・リバティー」の基本コンポーネンツを流用したSUVタイプのコンセプトカーを発表、翌2006年にそれをベースとした市販モデル「ダッジ・ナイトロ」の販売を開始しました。アメリカ製SUVとしてはコンパクトな車体と、個性的なスタイリングが特徴でした。
FRとパートタイム4WDを設定
「クライスラー・KAプラットフォーム」に架装されるボディは5ドアで、スタイリングは十字グリルが備わる迫力あるフロントマスクや、大きく張り出した前後のフェンダーが特徴でした。ボディ・ディメンションは全長4,544mm×全幅1,857mm×全高1,775mm、ホイールベース2,764mmで、車両重量は1,875kgでした。駆動方式はFRが標準で、オプションでパートタイム4WDが設定されました。
エンジンは、3.7L V6SOHC(最高出力205ps/最大トルク32kgm)と4L V6SOHC(最高出力260ps/最大トルク36.7kgm)のガソリン2種類のほか、ヨーロッパ市場向けに2.8L直4ディーゼルが用意されました。トランスミッションは6速MTのほか、3.7Lには4速の、4Lには5速のトルコン式ATが設定されました。
サスペンション形式はフロントがウィッシュボーン式、リアが5リンク・リジッド式で、ステアリング形式はラック&ピニオン式が採用されました。また、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式が装備されました。安全装備面では、SRSデュアルエアバッグシステムや横滑り防止装置「ESP」、トラクションコントロール、電子ロール制御などが採用されました。
日本には3.7Lエンジン搭載4WD仕様が上陸
グレード体系は、当初「SXT」「SLT」「R/T」の3タイプのラインナップで、2009年モデルからSXTに代わり「SE」が設定されました。ナイトロは販売面で振るわず、2011年12月をもって生産が打ち切られました。日本市場においては、2007年6月から正規輸入が開始されました。日本仕様のグレードは、当初SE、SXT、R/Tの3タイプがラインナップされました。
ドライブトレインはいずれも3.7Lエンジン+4速AT+4WDの組み合わせで、全車右ハンドル仕様でした。装備面では、SEには16インチアルミホイールやマニュアルエアコンなどが、さらにSXTには17インチアルミホイールや革巻きステアリングホイール、運転席パワーシート、クルーズコントロールなどが、R/Tには20インチアルミホイールや本革シートなどが標準装備されました。
その後、2008年モデルでエアコンがオートタイプに変更され、2010年モデルではグレードがSXTに一本化されるとともに、前席にアクティブヘッドレストが採用されました。