フィアット・クライスラーは2012年5月、ダッジ・ブランドより新型小型車「ダート」を発売しました。ダーツの車名は、クライスラー時代にリリースされた先代モデル(4代目)が1976年に生産終了となって以来、36年ぶりの復活となりました。しかし、同じくフィアット傘下にあるアルファロメオの「ジュリエッタ」がベースとなるなど、その成り立ちは全く異なるものでした。
エンジンは3種類
ボディタイプは、ジュリエッタが5ドアハッチバックであるのに対し、4ドアセダンでした。スタイングはごく短いトランクリッドを持つ3ボックス型で、ウェッジシェイプのフォルムを持っていました。また、フロントマスクはジュリエッタとは全く異なるオリジナルの意匠が採用されました。ボディサイズは全長4,671mm×全幅1,829mm×全高1,466mmで、ジュリエッタよりも一回り大柄でした。
また、ホイールベースもそれよりも70mmほど長い2,703mmに設定されました。駆動方式はジュリエッタ同様FFで、エンジンはフィアット製の1.4L直4ターボ(最高出力160ps/最大トルク25.5kgm)と、クラスラー製の2L直4NA(最高出力160ps/最大トルク20.1kgm)および2.4L直4NA(最高出力184ps/最大トルク23.7kgm)の3種類が用意されました。
トランスミッションは6速MTが標準で、ほかに1.4Lターボには6速DCTが、2L/2.4L NAには6速トルコン式ATがオプション設定されました。サスペンション形式はジュリエッタと共通で、フロントがマクファーソンストラット式、リアがマルチリンク式による4輪独立懸架が採用されました。
充実した安全装備
また、ステアリング形式は電動パワーアシスト付ラック&ピニオン式で、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式が採用されました。安全装備面では、SRS10エアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付ABS、ESC(横滑り防止装置)、トラクションコントロール、ヒルスタートアシスト、電子ロール制御、バックカメラ、リアパークアシストなどが採用されました。
そのほかに、予防安全装備としてブラインドスポットモニタリングやリアクロスパスディテクションが用意されました。室内は、インパネに7インチカラーTFTディスプレイが装備されるほか、12種類の内装色の選択が可能でした。また、オプションでレザーシートが用意されました。
グレード体系は、2Lエンジン搭載の「SE」、1.4L/2L/2.4Lエンジン搭載の「SXT」および「リミテッド」、1.4Lエンジン搭載の「エアロ」、2.4Lエンジン搭載の「GT」の5タイプがラインナップされました。その後2014年に、UコネクトBluetooth電話が標準化されるとともに、SXT/エアロ/GTに「ブラックトップパッケージ」が、STX/リミテッドに「カリフォルニアアピアランスパッケージ」が設定されました。
そして2016年9月をもって、生産終了となりました。