クライスラー(現フィアット・クライスラー)は1966年にダッジ・ブランドより、ハイパフォーマンスを売り物とするマッスルカー「チャージャー」を発売しました。中型乗用車「ダッジ・コロネット」と共通のプラットフォーム「Bボディ」に、より強力なエンジンが搭載されました。しかし1970年代に入ると排出ガス規制のあおりを受け、大幅なパワーダウンを余儀なくされました。
コンシールド・ヘッドランプを採用
ボディタイプは2ドアハードトップのみの設定で、スタイリングはフロントフェンダーからリアフェンダーに続くエッジラインや、180度回転して格納されるコンシールドタイプのヘッドランプ、丸型4灯式のテールランプなどが特徴でした。ボディ・ディメンションは全長5,283mm×全幅1,946mm×全高1,351mm、ホイールベース2,972mmでした。
駆動方式はFRで、エンジンは当初5.2L V8OHV(最高出力233ps)、5.9L V8OHV(最高出力269ps)、6.3L V8OHV(最高出力335ps)、7L V8OHV「426ヘミ」(最高出力431ps)の4種類が用意されました。これらのエンジンに組み合わせられるトランスミッションは、コラム式の3速MTと、フロア式の4速MTおよび3速トルコン式ATが設定されました。
一方、室内は全席バケットシートの2+2仕様で、当初前席から後席にかけての長いセンターコンソールが装着されました。また、丸型4眼式のメーターパネルにはエレクトロ・ルミネセンス式の照明が備わっていました。その後1967年モデルでマイナーチェンジが実施され、内外装の一部変更と同時に7.2L V8OHVの「440マグナム・エンジン」(最高出力380ps)が追加されました。
3度にわたるビッグM/Cを実施
次いで1969年モデルでビッグマイナーチェンジが実施され、エクステリア面ではコークボトルラインが取り入れられるとともに、コンシールド・ヘッドランプのメカニズムが変更されました。同時に、3.7L直6OHVエンジン(最高出力147ps)が追加されました。続いて1972年モデルで、2度目のビッグマイナーチェンジが実施されました。
エクステリア面では、フロントグリルの意匠が一新されるとともに固定式ヘッドランプが標準化され、コンシールド・ヘッドランプはオプション扱いとなりました。また、すべてのエンジンがレギュラーガソリン対応となりました。続いて1975年モデルで3度目のビッグマイナーチェンジが実施され、ボディが一新されました。
同時に、ラインナップが「チャージャー」「チャージャースポーツ」「チャージャーSE」の3タイプとなったほか、チャージャー/チャージャースポーツとチャージャーSEで全く異なるエクステリア・デザインが与えられました。そして1977年モデルでチャージャーSEに一本化されたのち、1978年をもって全車生産終了となりました。次期チャージャーがリリースされるのは、それから4年後の1982年のことでした。