初代モデルが2005年にデビューしたトヨタのコンパクトトールワゴン「ラクティス」は、2010年11月のフルモデルチェンジにより2代目となりました。2代目ヴィッツのプラットフォームやメカニズムを利用しながらも、ワンランク上のスペースユーティリティーを備えるモデルとなっています。又、先代よりも車高を低く設定した事で、走行安定性の向上が図られました。
ボディはスタイリッシュかつ軽量に
スタイリングは基本的にキープコンセプトで、先代同様のモノフォルムを踏襲するものの、前述の通り車高が下げられた事によりスタイリッシュさを増しています。ボディサイズは全長3,995mm×全幅1,695mm×全高1,585~1,605mmで、先代より全長が40mm拡大され、全高は55mm低くなっています。プラットフォームを先代から踏襲する為、ホイールベースは同一の2,550mmとなっています。
車両重量は1,090~1,170kgで、先代から30~40kg程軽量化されています。サスペンション形式は、先代同様の前:ストラット式/後:トーションビーム式を踏襲し、駆動方式も同様にFFとフルタイム4WDが設定されます。搭載エンジンは先代同様1.3Lと1.5Lの直4ユニットが用意され、発売当初1.3L車にはDual VVT-i採用の1NR-FE型(最高出力95ps/最大トルク12.3kgm)が新採用されました。
一方、1.5L車のユニットは先代から踏襲された1NZ-FE型で、発売当初の最高出力/最大トルクはFFが109ps/14.1kgm、4WDが103ps/13.5kgmでした。トランスミッションは、先代では4速トルコン式ATを採用していた4WD車を含め全車CVTとなりました。燃費は全車で改善され、同一グレード同士の比較で10~30%程の向上を果たしました。
インテリアは、インパネのデザインを一新した他居住性を改善、同時にワンタッチで倒せるチルドダウン機構リアシートを採用するなど、使い勝手にも改良が加えられました。発売当初のグレード体系は、下から「X Vパッケージ」「X」「レピス」「G」「S」の5種類で、この内「S」には専用チューンが施されたサスペンションやリアディスクブレーキ、シフトパドルが採用されました。
パワートレインの改良により燃費が更に向上
そして2012年7月に一部改良を実施し、1.5L FF車の燃費向上が図られました。エンジンの燃焼効率改善やフリクション低減を図ると共に、CVTを高効率な「Super CVT-i」に換装した事で燃費が0.6km/L向上しました(但し最大トルクが0.2kgm低下)。同時に、1.3L車と1.5L FF車にアイドリングストップ機構がオプション設定されました。
次いで2013年10月の一部改良では、全車にステアリングアシスト機能付横滑り防止装置「S-VSC」とトラクションコントロールが標準装備されました。そして2014年5月に初のマイナーチェンジを実施し、内外装のデザインが一部変更されると共に、1.3L車のエンジンがアトキンソンサイクルやVVT-iEなどを採用した1NR-FKE型(最高出力99ps/最大トルク12.3kgm)に置換され、燃費が1.6km/L向上しました。
同時にグレード体系も見直され、「X Vパッケージ」と「レピス」が廃止された代わりに、「Gプライムスタイル」が新設定されました。現行型ラクティスは、2011年には年間販売台数ランキング8位にランクインするベストセラーカーとなったものの、その後は人気が下降傾向となっています。