三菱のクロスオーバーSUV「アウトランダー」は、2012年10月に7年ぶりのフルモデルチェンジを実施し、2代目となりました。キープコンセプトながら、ボディの軽量化などにより燃費性能や環境性能を高めた他、安全装備の大幅な強化が行われた事が特徴でした。又、独自の技術によるプラグインハイブリッド車「PHEV」を投入した事も話題となりました。
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スタイリングは、先代のような山型のリアピラーや張り出したフェンダーなどのデザイン上のアクセントがなくなり、プレーンかつ大人しい印象に変化しました。ボディサイズは全長4,655mm×全幅1,800mm×全高1,680mmで、全長が15mm延長された以外は先代と同一で、ホイールベースも先代同様の2,670mmに設定されました。
軽量ボディと新エンジンにより燃費を改善
車両重量は先代から100kg~110kgも軽量化され、1,440kg~1,530kgとなりました。サスペンションは、先代同様の前/マクファーソンストラット式/後マルチリンク式が踏襲されました。エンジンは、2L直4と2.4L直4の2種類が用意される点は先代と同様ながら、DOHCの4B11/12型からSOHC化された4J11/12型に変更されました。
最高出力と最大トルクは2Lが150ps/19.4kgm、2.4Lが169ps/22.4kgmで、スペック面では先代と同等以下になった一方で、アイドリングストップ機構の採用などにより燃費性能が大きく向上しました。トランスミッションは先代同様、全車にCVTが採用されました。駆動方式も先代と同様、FFと電子制御4WDが用意されるものの、2L車はFFのみの設定となりました。
充実の安全装備とPHEVの投入が目玉に
装備面では、衝突被害軽減ブレーキシステムと車線逸脱警報システム、レーダークルーズコントロールシステムの3要素からなる「e-Assist」を2.4L車に設定した他、全車に横滑り防止装置「ASC」やSRS7エアバッグシステムを採用するなど、充実した安全装備が最大の特徴となりました。
そして同年12月、三菱独自の方式によるプラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」が追加されました。2L直4DOHCの4B11型を専用チューニングしたエンジン(最高出力118ps/最大トルク19kgm)で前輪を、2個の同期型モーター(最高出力82ps/最大トルク前14kgm・後19.9kgm)により前後輪を駆動する電気式4WDという基本構成となっています。
又、バッテリーに蓄えた電力のみでモーターを駆動し走行する「EVモード」、状況に応じエンジンで発電した電力も利用しながらモーターを駆動して走行する「シリーズ走行モード」、エンジンを主動力とし状況に応じてモーターによる動力も加え走行する「パラレル走行モード」の3モードが選択出来る事も特徴となっています。
燃費は、ハイブリッド燃費で18.2km/L、プラグインハイブリッド燃費で67km/Lと、ガソリン車より大幅に向上しました。車両重量は1,770kg~1,820kgへと増加したものの、加速性能がガソリン車より高くなった他、操縦安定性や乗り心地も向上するなど、トータルの完成度が一段と高まった事もPHEVの美点となりました。
マイナーチェンジで完成度アップ
2015年6月、ビッグマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトによりフロントマスクがアグレッシブにイメージチェンジすると共に、パワートレイン、ボディ、シャシー全てに改良のメスが入れられ、加速性能、操縦安定性、乗り心地、静粛性、燃費などあらゆる要素において向上を果たしました。
2代目アウトランダーは、ガソリン車は不人気で販売不振であるものの、PHEVが大変好評であり、発売当初は大量のバックオーダーを抱えるなど、三菱自動車の登録車の中ではトップクラスの人気モデルとなっています。