ホンダの軽トールワゴン「ゼスト」は、「ザッツ」の後継モデルとして2006年2月に発売されました。4代目「ライフ」(JB5/6/7/8型)の基本コンポーネンツを流用しながら、広い室内空間と大容量・大開口の荷室を実現した事が特徴でした。又、衝突安全性に優れたボディや、軽自動車初となるSRSサイドカーテンエアバッグシステムの設定などによる安全性能の高さもセリングポイントでした。
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2つのラインを設定
5ドアハッチバックのボディは、ザッツよりもアグレッシブなスタイリングに変化すると共に、標準ラインの他に専用エクステリアを持つスポーティライン「ゼストスポーツ」が設定されました。ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,635~1,660mmで、ザッツよりも全高が若干高くなった他、ホイールベースは60mm長い2,420mmとなりました。
車両重量は880~990kgで、ザッツよりも60~70kg程重くなりました。駆動方式はザッツ同様FFとオンデマンド式のフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式も同一のフロント:マクファーソンストラット式/リア:リジッドアクスル式(FF)・ドティオンアクスル式(4WD)が踏襲されました。又、エンジンも0.66L直3SOHCのE07Z型がキャリオーバーされました。
NAが最高出力52ps/最大トルク6.2kgm、ターボが最高出力64ps/最大トルク9.5kgmのスペックにも変更はない一方で、トランスミッションはザッツの3速トルコン式ATから電子制御4速トルコン式ATにアップグレードされました。ブレーキはザッツ同様、フロントはターボ車にはベンチレーテッドディスク式が、NA車にはディスク式が、リアは共にドラム式が採用されました。
安全装備が充実
装備面では、ザッツではターボ車のみに採用されたEBD付ABS&ブレーキアシストが全車に標準装備された他、前述のSRSサイドカーテンエアバッグシステムはフルオートエアコン及びディスチャージヘッドライトと共にセットオプション設定とされました。そして2007年1月にマイナーチェンジが実施され、高性能脱臭フィルターとセキュリティアラームが全車に標準装備されました。
次いで2008年12月に2度目のマイナーチェンジが実施され、標準ラインはエンジンの改良による燃費向上や内装の変更、装備の充実などが行われました。又、スポーティラインは「ゼストスポーツ」に代わり、新デザインの内外装を採用した「ゼストスパーク」が設定されました。続いて2009年6月に一部改良が行われ、NA車の燃費が更に向上しました。
次いで同年11月にゼストスパークの一部改良が行われ、内装の質感向上や装備の充実が図られました。そして2011年末に発売された「N-BOX」「N-ONE」を始めとするNシリーズへの移行に伴い、2012年6月に生産終了となりました。