アウディのコンパクト・クロスオーバーSUV「Q3」は、「Q7」「Q5」に次ぐ同カテゴリー第3弾として2011年4月の上海モーターショーでデビューし、日本には2012年5月から導入が開始されました。Qシリーズ最小モデルとなる他、「フォルクスワーゲン・ティグアン」と姉妹車種の関係になり、ティグアンよりもプレミアム路線が強調される事がQ3の特徴となります。
5ドアハッチバックのボディは、「Q7」「Q5」の流れを汲む流麗さと力強さを両立させたデザインが取り入れられると共に、軽量化の為アルミ製のボンネットやテールゲートを採用します。ボディサイズは全長4,385mm~4,400mm×全幅1,830mm×全高1,615mmでティグアンよりも全高が低く抑えられ、ホイールベースは同一の2,605mmとなります。車両重量はティグアンより軽い1,470~1,620kgとなっています。
2Lエンジン搭載4WD車でスタート
サスペンション形式は、ティグアン同様の前:マクファーソンストラット式/後:4リンク式で、駆動方式はフルタイム4WD「クワトロシステム」がメインとなるものの、一部グレードにFF車も設定されます。日本仕様のエンジンは、発売当初は最高出力170ps/最大トルク28.6kgmと最高出力211ps/最大トルク30.6kgmの2種類の2L直4ターボがラインナップされました。
グレード名は前者が「2.0TFSIクワトロ170PS」、後者が「2.0TFSIクワトロ211PS」で、トランスミッションは共に7速Sトロニック(DCT)を採用する他、アイドリングストップ機構や減速エネルギー回生機構を搭載し燃費向上が図られました。インテリア面では、運転席を取り囲むようなラップラウンドデザインを採用したインパネや、インフォテインメントシステム「MMI」の装備が特徴となります。
そして2013年8月に一部改良を実施し、様々な加飾が付加される「ハイグロスデザインパッケージ」とアドバンストキーが両グレードに標準装備されるなどの仕様変更が行われました。次いで2014年2月に、「2.0TFSIクワトロ170PS」をベースにオプションの「S-lineパッケージ」を装備し、ブラック基調のエクステリアを取り入れた限定車「S-lineコンペティション」が発売されました。
1.4Lエンジン搭載FF車を追加
続いて2014年8月に、1.4L直4ターボエンジンと6速Sトロニックを搭載するFF方式のエントリーグレード「1.4TFSI」が追加されました。更に2015年2月に、「1.4TFSI」をベースに純正ナビゲーションシステム「MMI 3Gプラス」や「アウディ・パーキングシステム」を装備し、ミサノレッドのボディカラーを採用した限定車「カラーコレクション・ミサノレッド」が発売されました。
そして2015年5月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトを中心としたエクステリアデザイン変更によりイメージを一新すると共に、2L車のパワーアップと燃費向上が図られました。「2.0TFSIクワトロ170PS」が180psに向上し「2.0TFSIクワトロ180PS」に、「2.0TFSIクワトロ211PS」が220psに向上し「2.0TFSIクワトロ220PS」になり、燃費は共に2.3km/L向上しました。