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ベントレー アルナージ (1998-2009):BMW製エンジン搭載で登場したブルックランズの後継モデル

ベントレー・モーターズは1998年、基本設計を1980年発売の「T1」までさかのぼる「ブルックランズ」に代わる新型高級車「アルナージ」を発売しました。プラットフォームが一新されるとともに、エンジンが当初それまでのロールス・ロイス製からBMW製に変更されたことなどが特徴でした。

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大幅な性能向上を実現

ボディタイプはブルックランズ同様4ドアセダンのみのラインナップで、エクステリア・デザインはベントレーならではのフロントグリルの意匠を継承しながらも、やや丸みを帯びたグラマラスなフォルムに変貌しました。ボディ・ディメンションは全長5,390mm×全幅1,930mm×全高1,515mm、ホイールベース3,116mmで、ブルックランズの標準ホイールベース仕様から一回り拡大されました。

駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲、エンジンはそれまでの6.8L V8OHVターボから、4.4L V8DOHCターボへとダウンサイジングされました。アウトプットは最高出力355ps/5,500rpm・最大トルク58.1kgm/2,500-4,200rpmで、最高出力は従来を50ps以上も上回るものでした。トランスミッションは、電子制御5速トルコン式ATが組み合わせられました。

パフォーマンスは最高速度240km/h・0-100km/h加速6.5sで、従来から大幅な向上を実現しました。サスペンション形式は、それまでのフロント:ウィッシュボーン式/リア:セミトレーリングアーム式から4輪ダブルウィッシュボーン式に一新され、ブレーキは前後ともベンチレーテッド・ディスク式が装備されました。

6.8L V8エンジン搭載車が復活

また、タイヤはよりワイドかつ大径な255/55R17サイズが装着されました。安全装備面では、SRSデュアルエアバッグシステムやABS、トラクションコントロールなどが採用されました。そして翌1999年に、ブルックランズ用から発展した6.8L V8OHVターボエンジン(最高出力406ps/4,000rpm・最大トルク85.1kgm/2,150pm)とGM製4速トルコン式ATを搭載する「レッドレーベル」が追加されました。

パフォーマンスは、BMW製エンジン搭載モデルをしのぐ最高速度249km/h・0-100km/h加速6.3sを誇りました。同時に、BMW製エンジン搭載モデルは「グリーンレーベル」と命名されました。次いで2001年、全長とホイールベースを250mm延長したボディに、レッドレーベル用のエンジンを搭載する「アルナージRL」が追加されました。

M/Cでさらに性能が向上

追って翌2002年、レッドレーベルがマイナーチェンジを受け、「シリーズ2」に移行しました。足回りの改良による操縦安定性の向上が図られたほか、横滑り防止装置「ESP」が装備されました。グレードは標準版「アルナージR」と高性能版「アルナージT」の2種類で、6.8L V8OHVターボエンジンのアウトプットは前者は従来と同一、後者は最高出力456ps/4,100rpm・最大トルク89.2kgm/3,250pmまで高められました。

続いて2007年に仕様変更が実施され、6.8Lエンジンの排気量がわずかに拡大されるとともに、ターボチャージャーがそれまでのギャレット製から三菱製に変更されました。アウトプットは、アルナージRが最高出力456ps/4,100rpm・最大トルク89.2kgm/1,800pm、アルナージTが最高出力507ps/4,200rpm・最大トルク102kgm/3,200pmまで向上しました。

同時に、トランスミッションがZF製6速トルコン式ATに変更されました。そして2009年をもって生産を終了、同年後継モデルの2代目「ミュルザンヌ」が発表されました。

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