ベントレー・モーターズは2003年のジュネーブ・モーターショーにおいて、新型4シーター・グランツーリスモ「コンチネンタルGT」を発表しました。世界最速の4シーターモデルを謳い、大排気量ターボエンジンの搭載とともに、ベントレー車初のフルタイム4WDシステムや電子制御ダンパーなどが採用されました。
VW製6L W12エンジンを搭載
ボディタイプはBピラーレスの2ドアハードトップクーペで、エクステリア・デザインは風格溢れるフロントグリルや丸型4灯式ヘッドランプの採用により、一目でベントレー製モデルであると分かる記号性を備えていました。同時に、Cd値0.32のエアロダイナミクス特性も兼ね備えていました。
ボディ・ディメンションは全長4,804mm×全幅1,918mm×全高1,390mm、ホイールベース2,745mmで、車両重量は2,385kgでした。フロントに搭載されるエンジンは、親会社であるフォルクスワーゲン製の6L W12DOHCツインターボで、最高出力560ps/6,100rpm・最大トルク66.3kgm/1,600pmのアウトプットを発生しました。
300キロオーバーのトップスピードを実現
トランスミッションは、パドルシフト付のZF製シーケンシャル6速トルコン式が組み合わせられ、最高速度319km/h・0-60mph加速5sという第一級のパフォーマンスを発揮しました。サスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式で、スプリングはエア式が採用されました。
また、ブレーキはフロントに405mm径、リアに335mm径のローターが備わる4輪ベンチレーテッド・ディスク式で、ホイール&タイヤは前後とも9J×19インチホイールと275/40R19タイヤの組み合わせが装着されました。一方インテリアは、同社のシンボルマークである「ウイングドB」をモチーフとしたシンメトリカル・デザインのインパネが採用されました。
コンバーチブル版や高性能版を追加
また、安全装備面では、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやEBD付ABS、トラクションコントロール、ESP(横滑り防止装置)などが標準装備されました。その後2006年に、ドロップヘッドクーペ(コンバーチブル)版の「コンチネンタルGTC」が追加されました。次いで翌2007年には、コンチネンタルGTをベースにさらなる高性能を狙った「コンチネンタルGTスピード」が追加されました。
6L W12ツインターボエンジンにチューニングが施され、アウトプットは最高出力610ps/6,000rpm・最大トルク76.5kgm/1,750pmまで向上、それにともないパフォーマンスも最高速度325km/h・0-60mph加速4.3sまで向上しました。続いて2009年、さらなる高性能を追求した「コンチネンタル・スーパースポーツ」がリリースされました。
後席の撤去やカーボンインテリアの採用などにより110kgもの軽量化を実現したボディに、6L W12ツインターボエンジンのアウトプットを最高出力630ps/6,000rpm・最大トルク81.6kgm/1,700-5,600pmに高めて搭載するモデルで、最高速度329km/h・0-60mph加速3.7sのパフォーマンスを誇りました。そして2011年にフルモデルチェンジが実施され、現行型に移行しました。