1957年にドイツ・フォードから「タウヌス12M・15M」の上級モデルとして発売された「タウヌス17M」は、1960年にフルモデルチェンジが実施され、2代目P3系に移行しました。先代P2系がアメリカ車的な派手なスタイリングを持ち味としていたのに対し、エアロダイナミクスを追求したモダンかつヨーロピアン調のフォルムに変貌しました。
ボディはワイド&ローに
ボディ・バリエーションは先代同様に、2ドアおよび4ドアセダンと3ドアステーションワゴン「コンビ」、そしてコーチビルダーの製造による2ドアカブリオレの4タイプがラインナップされました。スタイリングは丸みを帯びた流線形のフォルムと、楕円形のヘッドランプが備わる個性的なフロントマスクが特徴でした。
ボディサイズは全長4,452mm×全幅1,670mm×全高1,450mmで、先代から全長と全幅が拡大された一方全高は50mm程低められ、ワイド&ローなディメンションとなりました。ホイールベースは2,630mmで、先代から26mm延長されました。サスペンション形式は、先代同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:リジッド・リーフ式が踏襲されました。
3種類のエンジンを用意
エンジンは、1種類のみだった先代からラインナップが拡大され、1.5L直4OHV(最高出力55ps/最大トルク11.3kgm)、1.7L直4OHV(最高出力60ps/最大トルク13.2kgm)、1.8L直4OHV(最高出力70ps/最大トルク14.3kgm)の3種類が用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、従来同様の4速MTの他、新たに3速自動クラッチ式の「サクソマット」が設定されました。
最高速度は1.5Lが130km/h、1.7Lが135km/h、1.8Lが146km/h(いずれもMT仕様)となっていました。また、ステアリング形式はウォーム&ローラー式を踏襲し、ブレーキも当初は先代同様の4輪ドラム式が採用されました。一方インテリアは、エクステリア同様デザインが一新され、扇型のスピードメーターに代わり丸形3眼式メーターが採用されました。
ディスクブレーキを標準化
装備面では、オプションでツートーン・ボディカラーやホワイトウォールタイヤ、バニティミラー付き助手席サンバイザーなどが用意されました。その後1962年に、オートチョークが採用されるとともに、フロント・ディスクブレーキがオプション設定されました。追って1963年には、フロント・ディスクブレーキが全車に標準化されました。
次いでモデル末期の1964年、1.8Lエンジンの最高出力が75psに向上しました。そしてその年にフルモデルチェンジが実施され、通算3代目となるP5系に移行しました。P3系タウヌスは、前衛的なエクステリア・デザインが好評を博し商業的に成功を収めました。