ベントレー・モーターズは2015年のフランクフルト・ショーにおいて、同社初のSUVとなる「ベンティガ」を発表、日本では翌2016年6月にデビューを飾りました。ベントレーのモデルならではのプレミアム性と、SUVらしい力強いデザインを融合させたほか、走行性能と快適性を極めて高い次元で両立したモデルに仕上げられました。
新開発のW12エンジンを搭載
ボディ構造は、軽量化のために同社初のアルミモノコック構造が採用されました。ボディタイプは5ドアで、エクステリアは丸型4灯式ヘッドランプとマトリックスグリルを組み合わせたフロントマスクや、ボディ側面のプレスラインなど、2ドアモデル「コンチネンタル」や4ドアサルーン「フライングスパー」の流れを汲む意匠が採用されました。
また、空力特性の指標となるCd値は0.34を実現しました。ボディ・ディメンションは全長5,140mm×全幅1,998mm×全高1,742mm、ホイールベース2,995mmという堂々たる体躯を誇り、車両重量も2,440kgに達しました。駆動方式はフルタイム4WDのみの設定で、エンジンはこのモデルのために新開発された6L W12DOHCツインターボが搭載されました。
アウトプットは最高出力608ps/5,000-6,000rpm・最大トルク91.8kgm/1,350-4,500rpmで、8速トルコン式ATとの組み合わせにより、最高速度301km/h・0-100km/h加速4.1sというSUVとして世界トップレベルの動力性能を獲得しました。また、燃費・環境対策として、可変シリンダーシステムや軽負荷走行時に蛇行運転を行うコースティング機構が採用されたことも特徴でした。
ロールを抑える機構を採用
サスペンションは、形式が4輪マルチリンク式となるほか、4段階の車高調整が可能なマルチモードエアサスペンションが採用されました。さらに、コーナーリング時のロールを軽減させる電子制御アクティブロールコントロール機構「ベントレーダイナミックライド」が装備されました。また、ステアリングは電動パワーアシスト付のラック&ピニオン式が採用されました。
ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式で、タイヤサイズは275/50R20、285/45R21、285/40R22の3種類が用意されました。また、走行性能に係る装備として、最大で8種類の走行モードが選択できるダイヤルセレクターのほか、急な下り坂でも自動で一定速度での走行をキープ出来る「ヒルディセントコントロール」が採用されました。
一方室内は、リアシートがセパレートタイプの4人乗りとベンチタイプの5人乗りが設定されました。また、日本向けモデルにはパノラマサンルーフが標準装備されるほか、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様が用意されました。その後2017年5月1日に、装備の見直しにより価格を抑えた新グレード「オニキスエディション」が追加されました。