
ベントレー アズール (初代 1995)
ベントレー・モーターズは1995年、2ドア・ラグジュアリークーペ「コンチネンタルR」をベースとした高級2ドア・コンバーチブル「アズール」を発売しました。プラットフォームやパワートレインなど基本コンポーネンツはコンチネンタルRと共通で、高性能や豪華な仕様も受け継がれました。
車両重量が約200kg増加

ベントレー アズール (初代 1995)
電動ソフトトップが備わるボディは、コンチネンタルR同様4人乗り仕様でした。エクステリア・デザインは、フロントマスクの意匠も含めベルトラインから下は基本的にコンチネンタルRと共通でした。ボディ・ディメンションは全長5,347mm×全幅1,938mm×全高1,476mm、ホイールベース3,061mmで、コンチネンタルRから全高が幾分高くなっていました。
また、コンバーチブル化に伴うボディ補強のため車両重量は200kgほど増加し、2,608kgとなっていました。駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲、エンジンはコンチネンタルRと共通の6.8L V8OHV・ギャレット・インタークーラーターボ仕様が搭載されました。スペックも同一で、最高出力390ps/4,000rpm・最大トルク76.5kgm/2,000pmでした。

ベントレー アズール (初代 1995)
GM製の電子制御4速トルコン式ATとの組み合わせによるパフォーマンスは最高速度241km/h・0-60mph加速6.3sで、コンチネンタルRと比較すると最高速度が2km/h低く、0-60mph加速タイムは0.2s遅くなっていたものの、依然としてロードカーとして第一級の性能を保っていました。
サスペンション形式は、コンチネンタルRと共通のフロント:ウィッシュボーン式/リア:セミトレーリングアーム式が踏襲され、ブレーキも同様にフロントがベンチテーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式が採用されました。また、タイヤも共通の255/55R17サイズが装着されました。
安全装備面では、これもコンチネンタルR同様にSRSデュアルエアバッグシステムやABS、トラクションコントロールなどが標準装備されました。また、快適・豪華装備の面でも、レザーシート&運転席パワーシート、ウッドパネル、CDチェンジャー付きオーディオシステム、クルーズコントロールなどほぼ同等の装備が備わっていました。
改良でエンジン性能が向上

ベントレー アズール Mulliner (初代 2001)
グレードはモノグレードが基本ながら、ユーザーがトリムや装備を自由に選べる「ミュリナー・トリム」が設定されていました。その後1999年にエンジンのアップデートが実施され、スペックが最高出力406ps/4,100rpm・最大トルク85.1kgm/2,150pmに向上しました。それにともない、最高速度も250km/hに向上しました。

ベントレー アズール Le Mans Limited Edition (初代 2002)
そして翌2003年をもって生産終了となりました。2代目モデルが登場したのは、それから3年後の2006年のことでした。初代アズールは、日本においても正規輸入販売が行われました。初上陸は1996年9月で、当初は左ハンドル仕様のみの設定であったものの、1991年11月に改良型に切り替えられると同時に右ハンドルも選べるようになりました。