BMWのミニバン「2シリーズグランツアラー」は、「2シリーズアクティブツアラー」に続く同社第2弾のミニバンとして2015年2月に本国で発表。6月に日本でも発売が開始されました。アクティブツアラーのボディを拡大し、スペースユーティリティーの向上と乗車定員の増員を図った事が特徴でした。
サイズを拡大しながら均整の取れたボディ
ボディの設計はアクティブツアラーがベースで、オールヒンジドアの5ドアハッチバック型を踏襲しつつ、ルーフ及びBピラーより後部が新設計されたものとなっています。派生モデルながら、アクティブツアラー同様の均整の取れたプロポーションと、BMW車らしい躍動感を併せ持った完成度の高いスタイリングとなっています。
ボディサイズは全長4,565mm~4,570mm×全幅1,800mm×全高1,640mm~1,645mmで、アクティブツアラーよりも全長が210mm、全高が90mm~95mm拡大されています。又、ホイールベースも110mm延長され2,780mmとなっています。これらの変更により一層ルーミーになると同時に3列シート仕様となり、乗車定員が2人増加し7人となっています。
反面、全高アップに伴い大半の立体駐車場に駐車可能であったメリットは失われました。車両重量は、ボディの拡大やシートの増設に伴いアクティブツアラーよりも100kg以上増加し、1,570kg~1,630kgとなりました。サスペンションは、アクティブツアラー同様の前ストラット式/後マルチリンク式が踏襲されました。
パワートレインは3種類を設定
パワートレインは、「218i」が1.5L直3ガソリンターボ(最高出力136ps/最大トルク22.4kgm)+6速トルコン式AT、「218d」が2L直4ディーゼルターボ(最高出力150ps/最大トルク33.7kgm)+8速トルコン式AT、「220i」が2L直4ガソリンターボ(最高出力192ps/最大トルク28.6kgm)+8速トルコン式ATの組み合わせとなります。駆動方式は、アクティブツアラー同様のFF方式が踏襲されています。
アクティブツアラーと比較すると、2Lガソリン車のスペックが異なり、グレード名が「225i」から「220i」となった点が異なります。全車にアイドリングストップ機構とブレーキ・エネルギー回生システムが備わる点は、アクティブツアラー同様となっています。JC08モード燃費は15.8km/L~21.3km/Lで、アクティブツアラーの14.6km/L~22.2km/Lと比較して大差ない数値となっています。
安全装備が充実
装備面では、アクティブツアラー同様全車に衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警告システム、前車接近警告システムから構成される「ドラビング・アシスト」やヘッドアップディスプレイが備わる他、アクティブツアラーでは「225i」のみ標準装備であったリアビューカメラが全車に標準装備されます。
2シリーズグランツアラーは、FF方式である為、50:50の前後重量配分に拘った同社のFRモデルほどの運動性は持たないものの、このカテゴリーとしては優れた操縦安定性が備わる点が特徴となっています。又、予防安全装備も大変充実しており、最大のライバルである「メルセデス・ベンツ・Bクラス」に引けを取らないものとなっています。
価格は1.5L直3ガソリンターボの218i グラン ツアラーの358万円(税込)から、2L直4ガソリンターボの220i グラン ツアラー M Sportの452万円(税込)まで。今後の国内での販売動向が気になる1台です。