整備業界に長く携わっています。仕事では外国車を多く整備して来ました。中でも一番多く整備した車はメルセデス・ベンツです。幅広く古くは1970年代から2000年初期頃の車を整備しておりました。当時の印象深く感じている事柄です。
1970年代のメルセデス・ベンツ
1970年代のメルセデス・ベンツは全行程を手作り製作でした。特に力を入れていた内容は安全面です。衝撃テストなどは、「上空から、直接地面に落下させる」事で損傷の程度を検査する。何度も繰り返しテストを行っていたのです。安全面は、ずば抜けているでしょう。エアーバッグは最初に開発されたと記憶しています。
エアーバッグ誕生前に、シートベルトに火薬を使用したテンショナーを装着して、乗員の安全確保を開発したのです。技術情報を受けた時は、驚かされました。のちにエアーバッグ誕生に繋がったのです。安全面の強化と向上は、日々研究が行われていました。それこそが「超プロフェッショナル」が集い、メルセデス・ベンツが高級車となった要因の一つだと思います。
金属製の重いバンパー
そのころの特徴として1970年代の頃はバンパーが金属製で重量もかなり重いです。メッキでダブルバンパーのスタイルは何とも言いようのない存在感が漂います。450SELなどは内外装共に存在感がとても強く、高級感がとてもありました。
燃費よりも高出力、高トルクといった処が、正に高級車のイメージと捉えていただいて間違いないでしょう。その当時は当然コンピューターもなく、エンジンはキャブレターと言う装置でガソリンを燃焼させていました。その後にコンピューター制御のインジェクションが誕生となってきたのです。
整備の現場にも変化が
私の扱っていた時代はメリット、デメリットは特に考えられておらず、どちらかといえばメーカーの造り易いものを作っていたと言えるかもしれません。現代の車は殆どがコンピューター制御で動いていますが、故障診断する整備士側の立場から見ると日々の勉強が必須となります。いち早く故障を発見し、ユーザーに納車する事を要求されていました。
「整備は迅速、丁寧に」をモットーに整備をしていました。それがユーザーに安心感を与えられるのです。コンピューター制御が登場した事によって、現場のメカニックは、より勉強が欠かせなくなってきたのです。反復での学習がとても重要に思われます。
当時メルセデス・ベンツの種類はSクラス、Eクラス等に分類されていました。現在はクラスが増えてA/B/C/E/S/M/Vクラスなどなど、多種多様に増えてきています。エントリーモデルの車両本体価格も下がってきています。Aクラスでも他社の同クラスモデルより高級感があり、以前よりも相当メルセデス・ベンツを身近に感じられるのではと思います。