三菱自動車が販売するeKワゴン、eKスペースの燃費試験において不正が発覚。
対象となるのはeKワゴン、eKスペースの他、日産自動車で販売しているデイズ、デイズルークスも該当。三菱ブランドでの販売台数は計15万7千台、日産ブランドでの販売台数は計46万8千台となる。
次期モデル開発の参考データを取得するため、日産自動車が燃費測定を行ったところ、届け出していたデータとのかい離が大きく、三菱自動車が社内調査を実施。燃費計測時に走行抵抗を少なくする不正があったことを把握したという。
当該車種については生産・販売を停止し、すでに購入しているユーザーへの補償などは現時点では未定で、今後検討の上決定するとのこと。
三菱自動車の今後は
三菱自動車と言えば、2000年、2004年に発覚したトラック・バス部門でのリコール隠しが発覚。これらを端緒として乗用車の販売台数も激減。経営陣を刷新し経営再建を行ってきた。リコール隠し問題では、人命が失われるような深刻な事故に繋がっており、世間から企業倫理が厳しく問われた。
今回の燃費測定については、人命が失われるような事態には繋がらないものの、eKワゴン、eKスペースを購入したユーザーだけでなく、他の三菱車を購入したユーザーからの失望感も拭えない。
また、軽自動車の開発・生産で手を組んでいた日産自動車との関係も見直しが入るのは必須と言える。eKワゴンは2013年6月、eKスペースは2014年2月に発売したばかりの比較的新しいモデルで、期間の掛かる自動車開発においては新型車への切り替えは簡単ではない。
今回の件によって該当車種に対する信頼を失なうに留まらず、三菱自動車という会社に対する信頼が失われる事が大きな問題と言える。世論の動きによっては三菱自動車というブランドで自動車を製造・販売することが困難となるかもしれない。
パジェロやランサーエボリューションなど、記憶に残るクルマを生み出してきたブランドが今後どのようになるのか、今後の経過を真摯に見守りたい。