輸入車の新車を手に入れる場合、正規ディーラーより購入する方法が主流になりますが、購入ルートとしてもう一つの選択肢があります。それは、並行輸入車専門店を利用し、本国仕様の車を取り寄せる方法です。
正規ディーラーでは取り扱わない車種やグレードも入手出来る
世界には多数のメーカーや車種が存在しますが、意外にも正規ディーラーで取り扱うメーカー・車種は、その中の一部に過ぎません。並行輸入車専門店を利用するメリットは、正規ディーラーでは取り扱わない車種やグレードであっても、入手出来る事にあります。
例えば、欧州のメジャーなメーカーであるオペルやヴォクスホールなどは、現在日本国内には正規ディーラーが存在しませんが、こうしたメーカーの車種であっても、並行輸入車専門店から購入する事が出来ます。又、正規ディーラーで扱うグレードは、ガソリンエンジン車がメインで、装備面では至れり尽くせりのフル装備である事が多くなります。
その点、並行輸入車専門店を利用すれば、欧州で主流となっているクリーンディーゼル車や、装備を絞ったベーシックグレードを手に入れる事も可能になります。それから、本国でニューモデルが発売されても、日本の正規ディーラーより購入出来るのはその数か月後になるのが一般的ですが、並行輸入車ならばいち早く手に入れる事が出来ます。
基本的に左ハンドルとなる
しかし、こうしたメリットのある並行輸入車にも、デメリットがあります。まず、正規輸入車は近年は右ハンドル仕様車が主流になっていますが、並行輸入車の場合、一部英国仕様の右ハンドル車が手に入る場合もあるものの、基本的には左ハンドルとなります。左側通行の日本においては、左ハンドル車は様々なハンディがありますから、並行輸入車に乗る場合、その点は割り切りが必要になります。
ただ、コンパクトカーの場合は、右ハンドル化した結果ペダル配置が不自然になっている車種も存在しますから、その場合はむしろ本国仕様の左ハンドル車の方が乗り易いケースもあります。
夏場の渋滞でのトラブル、整備に難点も
又、正規輸入車は、日本の高温多湿な環境に適応出来るよう仕様に変更が加えられていますが、並行輸入車の場合は本国仕様のまま日本に入って来る為、夏場の渋滞でトラブルが発生する可能性もあります。
それから、整備拠点が少ない上、消耗部品の価格が高かったり、取り寄せるのに時間が掛かったりする事があるのも、デメリットとして挙げられます。結論として、並行輸入車を購入する事は、上記したようなリスクが伴う為、万人向きとは言えません。しかし、輸入車が好きで、かつ人とは違う車に乗りたいと考えているユーザーにとっては、魅力のある選択肢であると言えます。