輸入車と言えば、一般的には高額な車というイメージが浸透しています。そして、実際に輸入車の販売価格は、同クラスの国産車と比較すると割高である事は否めません。それは、輸送の経費や、日本向けに仕様や装備を変更する為に必要なコスト、インポーターの中間マージンなどが、価格に上乗せされるからです。
フォルクスワーゲン up!は154.8万円から
最近はメーカーやインポーターの企業努力もあり、リーズナブルな価格を実現した車種も登場しています。中には、200万円を切る手頃な価格の車種も存在します。そうした200万円以下で購入出来る輸入車の代表格として挙げられるのが、フォルクスワーゲンのコンパクトカー、「up!」です。up!の価格は、最廉価グレードで154.8万円、最上級グレードでも193.2万円と、輸入車としてはバーゲンプライスとも言える価格設定になっています。
up!と言えば、走る・曲がる・止まるの三要素がしっかり押さえられたコンパクトカーとして評価が高い車ですから、相対的に割安感があります。国産の同クラス車である「トヨタ・パッソ」と比較すると、同車の1Lモデルの価格は125.7万円~135.6万円ですから、up!は3~4割方高価になります。
しかし、走りの質感の高さや、パッソにはない衝突被害軽減ブレーキを搭載している事などを考慮すれば、法外に割高とは言えません。シングルクラッチ式AMTのフィーリングに癖があるのが難点ですが、それさえ納得が出来るなら、かなりお買い得な輸入車と言えます。
フィアット500も200万円を切る
そして、up!以外にも200万円を下回る価格を実現している輸入車もあります。フィアットのコンパクトカー、「500」と「パンダ」がそれで、廉価グレードとして200万円を切るモデルが用意されています。具体的には、「500POP」と「パンダMT」(限定車)の両モデルが199.8万円、「500GO&FAN」(限定車)が179.2万円という価格になっています。Up!と比べると少し割高感があるものの、up!にはないイタリア車ならではの雰囲気が気に入った場合は、お値打ちと言えます。
韓国のマティスは88.8万円から
それから、かなりマイナーな車種となりますが、他にも200万円以下で購入出来る輸入コンパクトカーが存在します。韓国のファクトリーで生産されるGMのグローバルカー、「マティス/マティス・スパーク」は、88.8万円~145万円という、輸入車としては破格とも言える低価格を実現しています。これは、国産の軽自動車並みの価格で、輸入車=高価というステレオタイプな図式は、この場合全く当てはまらなくなります。
しかし、マティスは0.8L~1Lエンジンを搭載するコンパクトカーながら、車体サイズや性能は軽自動車と同程度で、装備面ではむしろ劣っている上、当然ながら税制面での優遇もないので、評価の難しい車種です。デザイン面では国産車とは一味違う洒落た雰囲気があるので、この雰囲気がとても気に入った人や、どうしても人とは違う車に乗りたいという人にのみ、お薦めの車と言えそうです。