BMWの2シータースポーツカー「Z4」は、初代モデルが2003年に「Z3」の上級車種としてデビューし、2代目となる現行型は2009年1月にデトロイトショーで発表され、同年5月から日本での販売が開始されました。先代からボディが拡大された他、クーペとソフトトップカブリオレの2本立てから、リトラクタブルハードトップ採用のクーペ・カブリオレに一本化されました。
より流麗になったスタイリング
スタイリングは、先代同様のロングノーズ・ショートデッキのプロポーションを踏襲しながら、より伸びやかで流麗なフォルムに変貌しました。ボディサイズは全長4,250~4,255mm×全幅1,790mm×全高1,280~1,290mmで、先代から全長が150mm拡大された一方、ホイールベースは同一の2,495mmとなっています。車両重量は1,500~1,600kgで、先代から100kg以上増加しました。
サスペンション形式は、フロントのストラットがシングルジョイント・スプリング式からダブルジョイント・スプリング式に変更され、リアはセントラルアーム式を踏襲、駆動方式は先代同様のFRを採用します。発売当初設定されたグレード及びパワートレインは、2.5L直6NAエンジン+6速トルコン式ATの「sDrive23i」と、3L直6 ツインターボエンジン+7速DCTの「sDrive35i」でした。
エンジンのスペックは、前者が最高出力204ps/最大トルク25.5kgm、後者が最高出力306ps/最大トルク40.8kgmとなります。装備面では、スイッチ操作で車両特性を3段階に変更出来る「ドライビング・ダイナミクス・コントロール」や、BMW独自のインフォテインメントシステム「iDrive」、8.8インチディスプレイ採用のHDDカーナビゲーションシステムなどが装備されました。
パワートレインの追加と変更
そして2010年5月に、3L直6 ツインターボエンジンを最高出力340ps/最大トルク45.9kgmまでチューンナップすると同時に、専用の内外装やサスペンションを装備する「sDrive35is」が追加されました。次いで2011年10月に、「sDrive23i」に代わるグレードとして、2L直4ターボエンジン(最高出力184ps/最大トルク27.5kgm)と8速トルコン式ATを搭載する「sDrive20i」が発売されました。
続いて2013年4月に一部改良を実施し、ヘッドランプ廻りを中心にエクステリアの変更を行うと共に、内装も一部変更されました。同時に「sDrive20i」の装備充実を図り、ウインドディフレクターやオートエアコン、音声コントロール機能などが追加されました。又、新たなデザインパッケージオプションとして、「デザイン・ピュア・トラクション」が設定されました。
そしてグレード体系も変更され、「sDrive20i」に豪華仕様の「ハイライン」が、「sDrive20i」と「sDrive35i」にスポーティな内外装と足回りを装備する「Mスポーツ」が追加されました。