ゼネラルモーターズ(GM)のビュイック・ブランドから1963年にリリースされた高級パーソナルカー「リビエラ」は、1971モデルイヤー(1970年)に5年ぶり2度目フルモデルチェンジを受け、3代目モデルに移行しました。1963年に登場した「シボレー・コルベット・スティングレイ・クーペ」を彷彿とさせる「ボートテール」を採用したことが最大の特徴でした。
ボディサイズを拡大
プラットフォームは「Eボディ」がキャリオーバーされ、ボディタイプも従来同様2ドアハードトップクーペのみが設定されました。一方スタイリングは、前述の特徴に加え個性的な造形のボンネットフードが採用されるなど、先代から大きくイメージを変えました。ボディ・ディメンションは全長5,525mm×全幅2,019mm×全高1,365mm、ホイールベース3,100mmで、すべての項目において先代から拡大されました。
駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンも7.5L V8OHVの「ビュイックV8」がキャリオーバーされました。ただし、排出ガス規制に対応するため圧縮比が下げられ、最高出力は先代の375psから標準仕様で259ps、スポーティ仕様の「グランスポート」でも269psまで低下しました。組み合わせられるトランスミッションは、従来同様3速トルコン式ATのみの設定でした。
トラクションコントロールを採用
サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン/コイル式、リアが4リンク/コイル・リジッド式で、ブレーキはフロントにディスク式、リアにドラム式が装備されました。また、タイヤはH78×15サイズが装着されました。そのほかの機構面では、当時としては先進的なトラクションコントロールシステム「マックス・トラック」が採用されたことが特徴でした。
そして1972年モデルではエンジンの最高出力がさらに低下し、標準仕様で228ps、グランスポートで254psとなりましました。次いで1973年モデルではボートテールの造形が変更されるとともに、リアバンパーの形状も変更されました。同時に、グランポート専用だった254ps版エンジンが標準化されました。
また、新たなパッケージオプションとして、エンジンの最高出力を264psに高めて搭載し、ポジティブトラクション・リアディファレンシャルやクローム・エアクリーナーが装備される「ステージ・ワン」が設定されました。一方グランスポートは、専用の足回りやスチールラジアルタイヤなどが装備されるパッケージオプションとして存続しました。
そして1973年の1974モデルイヤーで、全面改良を施した4代目モデルに移行しました。