ゼネラルモーターズ(GM)のビュイック・ブランドから1963年にリリースされた高級パーソナルカー「リビエラ」は、1977モデルイヤー(1976年)に3年ぶり4度目フルモデルチェンジを受け、5代目モデルに移行しました。プラットフォームが初代以来継承されてきた「Eボディ」から「Bプラットフォーム」に変更されるとともに、ボディサイズが縮小されました。
大幅な軽量化を実現
ボディタイプは、先代同様オペラウィンドウが備わる2ドアピラードハードトップで、スタイリングも直線基調のスクエアなフォルムが踏襲されました。また、角型4灯式ヘッドランプや、中央がV字型に突き出たフロントグリルとバンパーの意匠も先代譲りのものでした。ボディサイズは全長5,486mm×全幅1,962mmで、先代から全長が178mm、全幅が70mm縮小されました。
また、ホイールベースも150mm以上短縮され、2,946mmとなりました。こうしたボディ・ディメンションの変更にともない、車両重量も300kg以上軽い1,785kgとなりました。サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン/コイル式、リアがリジッド・アクスル/コイル式で、駆動方式はコンベンショナルなFRが踏襲されました。
エンジンをダウンサイジング
エンジンは先代の7.5L V8OHVから、5.7L V8OHVの「ビュイックV8」(最高出力157ps)または6.6L V8OHVの「オールズモビルV8」(最高出力188ps)にダウンサイジングされました。また、ひときわ排出ガス規制の厳しいカリフォルニア州で販売されるモデルに限り、5.7L V8OHVの「オールズモビル350」(最高出力172ps)が搭載されました。
これらのエンジンに組み合わせられるトランスミッションは、従来同様の3速トルコン式ATであったものの、型式がそれまでのST-400型からTH400型に変更されていました。また、ブレーキはフロントがディスク式、リアがドラム式で、ステアリング形式はリサーキュレーティング・ボール式でした。
そして翌1978年モデルで、専用のトリムやレザーシート、カーペットなどが備わるビュイック75周年記念モデル「LXXV」エディションが設定されました。そして翌年の1979モデルイヤー(1978年)に早くもフルモデルチェンジが実施され、駆動方式をFFに変更した6代目モデルにバトンが渡されました。
5代目リビエラは、次期モデルがリリースされるまでのつなぎ的な役割を担って登場したため、ニューモデルに必要な大きなアピールポイントは持っていませんでした。そのため、販売面ではデビューした年こそ若干上向いたものの、次のモデルイヤーには早くも落ち込みをみせるなど振るいませんでした。