フォード・モーター(ヨーロッパ・フォード)より1972年3月に「ゼファー&ゾディアック」および「タウヌス」の後継車種としてリリースされたアッパーミディアムモデル「グラナダ」は、1977年8月に5年半ぶりのフルモデルチェンジを受け、マークⅡに移行しました。基本メカニズムが踏襲されるなど、実質的には先代からのビッグマイナーチェンジ版といえる内容でした。
スタイリングはキープコンセプト
生産は西ドイツのケルン工場で行われ、イギリスでの生産は停止になりました。ボディタイプは2ドアクーペが廃止され、2ドアおよび4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの3タイプとなりました。スタイリングは、直線基調のフォルムや角形2灯式ヘッドランプの採用など、先代のイメージが踏襲されました。
ボディサイズは全長4,653mm(セダン)/4,760mm(ワゴン)×全幅1,793mm×全高1,379mmで、先代から全長が若干拡大されました。ホイールベースは先代と同一の2,769mmで、サスペンション形式もフロント:ダブルウィッシュボーン/コイル式、リア:リジッド・アクスル/コイル式が踏襲されました。また、駆動方式もコンベンショナルなFRが踏襲されました。
ディーゼルエンジンを新設定
エンジンは、1.7L V4OHVキャブレター仕様(最高出力71ps/最大トルク12.2kgm)、2L直4SOHCキャブレター仕様(最高出力102ps/最大トルク15.6kgm)、同V6OHVキャブレター仕様(最高出力91ps/最大トルク15.2kgm)、2.3L V6OHVキャブレター仕様(最高出力116ps/最大トルク17.8kgm)、2.8L V6OHVキャブレター仕様(最高出力137ps/最大トルク22kgm)、同電子燃料噴射仕様(最高出力162ps/最大トルク22.4kgm)のガソリンユニットが用意されました。
さらに、先代には設定のなかったディーゼルも用意されました。ラインナップは1.9L直4OHV(最高出力54ps)、2.1L直4OHV(最高出力63ps)、2.5L直4OHV(最高出力69ps)の3種類で、いずれもプジョー製でした。トランスミッションは従来同様の4速MTに加え、新たに5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。
グレード体系は当初、「L」「D」「GL」「DL」「ギア」「S」「GLS」がラインナップされました。その後1981年にラインナップの見直しが図られ、「LX」「ギアX」「ギアXエグゼクティブ」「インジェクション」が追加され、D/S/GLSは廃止されました。これらのうち、2.8L電子燃料噴射エンジンを搭載するインジェクションには、エアロパーツを含む専用の内外装や専用サスペンションなどが与えられました。
また、2.8Lキャブレター仕様エンジンを搭載するギアXエグゼクティブには、レザーインテリアやエアコン、パワーシート、電動サンルーフなどが装備されました。そして1985年4月にフルモデルチェンジが実施され、マークⅢに移行しました。