フォード・モーター(イギリス・フォード)より1962年9月にリリースされた大衆車「コーティナ」は、1979年8月に3年ぶり4度目のフルモデルチェンジが実施され、Mk5に移行しました。実質的には先代Mk4のビッグマイナーチェンジ版で、プラットフォームや足回り、パワートレインなどがキャリオーバーされました。
ボディをリデザイン
ボディタイプは先代同様に、2ドアおよび4ドアセダンと5ドアステーションワゴンの3タイプがラインナップされました。スタイリングは先代から直線基調のフォルムを受け継ぎながら、ヘッドランプやフロントグリルなどの意匠が変更されました。さらにセダンは、ルーフラインがよりフラットな形状に変更された他、ガラスエリアも拡大されました。
一方ステーションワゴンは、ボディ後半部分が先代と共通で、セダンのような造形変更は実施されませんでした。ボディ・ディメンションは全長4,380mm×全幅1,695mm×全高1,375mm、ホイールベース2,580mmで、実質的に先代と同等でした。サスペンション形式は、フロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:4リンク・コイル式が踏襲されました。
エンジン・ラインナップは先代と共通
駆動方式は引き続きコンベンショナルなFRが採用され、エンジンも先代からのキャリオーバーでした。ラインナップは、欧州仕様には1.3L直4OHVおよび1.6L直4OHVの「ケント・ユニット」、1.6L直4SOHCおよび2L直4SOHCの「ピント・ユニット」、2.3L V6OHVの「ケルン・ユニット」が用意されました。いずれも、先代からアウトプットの向上が図られていました。
また、オーストラリア仕様や南アフリカ仕様には、先代に引き続き3L V6OHVの「エセックス・ユニット」や3.3L/4.1L V6OHVの「ファルコン・ユニット」も用意されました。トランスミッションは3速MTが廃止され、4速MTまたは3速トルコン式ATとの組み合わせとなりました。また、ステアリング形式はラック&ピニオン式が踏襲され、ブレーキも従来同様全車にフロント:ディスク式/リア:ドラム式が採用されました。
グレード体系は、全ボディにベースグレードと「L」が設定された他、さらに4ドアセダンとステーションワゴンには上級グレードの「GL」と「ギア」がラインナップされました。一方、従来設定されていたスポーティな内外装や装備を持つグレード「S」はカタロググレードではなくなり、L以上のグレードに設定されるパッケージオプションとなりました。
そして1982年7月に生産が打ち切られ、コーティナは30年に及んだ歴史に幕を下ろしました。後継モデルとして、その2か月後に「シエラ」がデビューしました。