ゼネラルモーターズ(GM)のGMC・ブランドから1991年にリリースされたフルサイズSUV「ユーコン」は、2006年に7年ぶり2度目のフルモデルチェンジが実施され、3代目モデルに移行しました。先代からプラットフォームが刷新されたほか、追って歴代ユーコン初のハイブリッドモデルが設定されたことが特徴でした。
タホと異なるデザインを採用
プラットフォームは、先代のGMT800に代わりGMT900が採用されました。また、初代以来プラットフォームを共有していた「シボレー・タホ」との姉妹車種の関係は、引き続き維持されました。ボディタイプは先代同様5ドアのみの設定で、エクステリア・デザインはヘッドランプの造形が一新されるなどの変更により、それまでよりも大人しいイメージに変貌しました。
また、シボレー・タホとは異なる意匠のフロントマスクやリアコンビネーションランプが与えられました。ボディサイズは全長5,131mm×全幅2,007mm×全高1,895~1,956mmで、先代から僅かに拡大された一方、ホイールベースは同一の2,946mmでした。駆動方式は、従来同様FRと4WDが設定されました。
エンジンは、先代に設定された4.8L V8OHVと5.3L V8OHVの2種類の「ボルテック・ユニット」のうち、後者のみがキャリオーバーされました。同時に、先代に設定のあったフレックス燃料仕様は廃止されました。スペックは最高出力324ps/最大トルク47kgmで、先代から出力・トルクともに増強が図られていました。組み合わせられるトランスミッションは、当初は先代同様の4速トルコン式ATでした。
上級グレード「デナリ」も用意
一方インテリアは、先代からインパネやシートなどの意匠が一新されました。グレード体系の面では、先代に引き続き上級グレード「デナリ」が設定されました。エクステリア面では、専用のフロントグリルやクロームパーツなどにより識別が可能でした。その後2007年に、ハイブリッドモデルが追加されました。
パワートレインは、6L V8OHVエンジンと電気モーターを組み合わせた「クラスラー・アドバンスド・ハイブリッドシステム2」が搭載されました。次いで2009年、内外装の小変更やSRSサイドエアバッグシステムの追加とともに、4WD車のパワートレインが6.2L V8OHVフレックス燃料仕様の「ボルテック6200」エンジン(最高出力411ps/最大トルク57.6kgm)と6速ATの組み合わせに置換されました。
同時に、5.3Lエンジンを踏襲するFR車にも6速ATが採用されました。続いて2011年には、デナリ用6.2Lエンジンの最大トルクが57.6kgmに向上しました。そして2014年にフルモデルチェンジが実施され、現行型となる4代目モデルに移行しました。