ホンダの軽乗用車「ザッツ」は、2002年2月に3代目「ライフ」(JB1/2/3/4型)をベースとした個性派トールワゴンとして発売されました。「さりげなく使える日常的な身の回りのモノ」をコンセプトとして開発され、角を丸めた箱型の「ラウンドスクエアデザイン」が採用された他、快適な居住空間や視界・見切りの良さを追求した設計が特徴でした。
新車購入ガイド:【2023最新】N-WGNの値引き 納期 乗り出し価格
新・衝突安全ボディを採用
5ドアハッチバックのボディは、水平基調のベルトラインと大きなグラスエリア、ワイド感を強調した横長デザインのフロントマスクが外観上の個性となる他、新・衝突安全設計ボディを採用し、運転席・助手席共にJ-NCAP4つ星の衝突安全性能を実現した事も特徴でした。ボディサイズは全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,620mmで、3代目ライフよりも全高が僅かに高く設定されました。
ホイールベースは同一の2,360mmで、車両重量は若干重い820~920kgでした。駆動方式はライフ同様FFとオンデマンド式のフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式も共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:リジッドアクスル式(FF)・ドティオンアクスル式(4WD)が踏襲されました。又、エンジンも同一の0.66L直3SOHCのE07Z型が採用されました。
ホンダ ザッツのCM
前席ウォークスルーが可能
最高出力52ps/最大トルク6.2kgmのNAと最高出力64ps/最大トルク9.5kgmのターボが用意され、トランスミッションは全車コラム式の3速トルコン式ATを採用した事で、前席ウォークスルーが可能となっていました。ブレーキは、フロントがターボ車はベンチレーテッドディスク式、NA車はディスク式で、リアは共にドラム式でした。
インテリアは、シンプルなデザインのインパネや広さ感を追求した空間演出が特徴で、機構面ではリアシートにリクライニング機構を備える他、前後席のバックレストを倒しフラット化する事も可能でした。グレード体系は標準車(NA)と「ターボ」のみとシンプルで、共にフルオートエアコンやプライバシーガラスなどが備わる「Aパッケージ」を選択する事が可能でした。
装備面では、ターボ車にはEBD付ABS&ブレーキアシスト、13インチタイヤ(NA車は12インチ)、大型フットレストが標準装備されました。EBD付ABS&ブレーキアシストはNA車にもオプションで装着する事が可能であった他、NA車・ターボ車共に13インチアルミホイールやAM/FMチューナー付MDプレーヤー&インダッシュ6連奏CDチェンジャー採用のオーディオシステムがオプション設定されました。
そして同年10月に価格を下げた特別仕様車「アイテム」が、更に2004年10月にも同じく低廉な価格を実現した特別仕様車「スペシャルエディション」が発売されました。次いで2006年3月にマイナーチェンジが実施され、スモークドメッキグリルが採用された他、後継モデル「ゼスト」の発売に伴いターボ車が廃止されました。そして2007年10月に、NA車も販売終了となりました。