ジャガーは1998年10月のバーミンガム・ショーにおいて、1968年に生産終了となった初代モデルを30年ぶりにリメイクした新型「Sタイプ」を発表、翌1999年に販売を開始しました。親会社であるフォードの「リンカーン・LS」と共通のプラットフォームに、それとは全く異なる、初代Sタイプのテイストを盛り込んだデザインのボディが架装されました。
2種類のガソリンNAエンジンでスタート
ボディタイプは4ドアセダンのみの設定で、スタイリングは丸型4灯式ヘッドランプや小さなフロントグリル、丸みを帯びたフォルムなどを特徴としていました。ボディサイズは、上級車種「XJ」より一回り小振りな全長4,880mm×全幅1,820mm×全高1,445mmで、ホイールベースはリンカーン・LSと共通の2,910mmでした。
駆動方式はFRで、搭載エンジン及びグレード体系は、当初3L V6DOHC NA(最高出力243ps/最大トルク31kgm)の「3.0V6」と、4L V8DOHC NA(最高出力285ps/最大トルク40kgm)の「4.0V8」がラインナップされました。トランスミッションは5速MT又は5速トルコン式ATが組み合わせられ、サスペンション形式はリンカーン・LSと共通の4輪ダブルウィッシュボーン式が採用されました。
M/Cで新エンジンを設定
ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式で、安全装備面では全車にSRSデュアル&サイドエアバッグシステムやABS、トラクションコントロール、プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルトが標準装備されました。その後2001年末にマイナーチェンジが実施され、電子制御可変ダンパー「CATS」の採用などのリファインを受けたシリーズⅡに移行しました。
同時に、2.5L V6DOHC NAエンジン(最高出力204ps/最大トルク25.5kgm)を搭載するエントリーグレード「2.5V6」が追加された他、4.0V8に代わり4.2L V8DOHC NAエンジン(最高出力304ps/最大トルク42.8kgm)を搭載する「4.2V8」と、同スーパーチャージドエンジン(最高出力406ps/最大トルク56.4kgm)を搭載する「タイプR」が設定されました。更に、ATが6速化された事も変更点のひとつでした。
次いで2004年に2度目のマイナーチェンジが実施され、エクステリア・デザインの変更やボンネットフードのアルミ化などを行ったシリーズⅢに移行しました。更に同年、フォードとPSAが共同開発した2.7L V6DOHCディーゼルターボエンジン(最高出力207ps/最大トルク44.4kgm)に、6速MT又は6速トルコン式ATを組み合わせて搭載する「2.7V6TDVi」が追加されました。
そして2007年、後継モデル「XF」のリリースに伴い生産終了となりました。日本市場に導入されたSタイプはガソリンAT仕様車のみで、まず1999年5月に3.0V6/3.0V6SE/4.0V8が上陸し、翌2000年に3.0スポーツが追加されました。次いで2002年にシリーズⅡに切り替えられると同時に、グレード体系が2.5V6/3.0V6/3.0スポーツ/4.2V8/R(タイプR)に変更されました。
続いて2004年、シリーズⅢの導入と共に4.2ソブリンが新設され、3.0スポーツ/4.2V8は廃止されました。