かつて存在していた自動車メーカー、ダイムラー・クライスラー(現フィアット・クライスラー・オートモビルズ)は、2007年にジープ・ブランドのSUV「チェロキー/リバティ」に6年ぶりのフルモデルチェンジを実施し、4代目KK型に移行させました。先代からスタイリングが一新されたほか、機構面でそれまでにない新機軸が導入されました。
スクエアなフォルムに変貌
車名は先代同様アメリカ国内向けはリバティ、それ以外の地域ではチェロキーの名で販売されました。ボディタイプは先代同様5ドアのみの設定で、エクステリア・デザインは丸みを帯びた先代からスクエアなフォルムに一新されました。一方で、丸型ヘッドランプや7スリットのフロントグリルなど、ジープとしてのアイコン性は継承されました。
ボディサイズは全長4,493mm×全幅1,839mm×全高1,797mmで、先代から全長・全幅が若干拡大された一方、全高は低められました。また、ホイールベースは40mmほど延長され2,694mmとなりました。サスペンション形式はフロントにダブルウィッシュボーン式、リアに5リンク・リジッド式が採用されました。
新開発の4WDシステムを採用
駆動方式は、センターデフが備わる新開発の4WDシステム「セレクトトラックⅡ4×4システム」が採用されました。エンジンは先代からのキャリオーバーで、ガソリン3.7L V6SOHC(最高出力205ps/最大トルク32kgm)のほか、ヨーロッパ市場向けとしてVMモトーリ製2.8L直4DOHCディーゼルターボ(最高出力177ps/最大トルク46.9kgm)が用意されました。
トランスミッションは、ガソリンにはクライスラー製の6速MTまたは4速トルコン式ATが、ディーゼルにはメルセデス・ベンツ製の5速トルコン式ATが組み合わせられました。ブレーキは先代同様フロントがベンチレーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式で、タイヤはより大径かつハイトの低い235/60R18サイズが装着されました。
また、新たな装備として、ダウンヒル時にブレーキ操作なしに一定速度を維持できる「ヒルディセントコントロール」や、坂道発進時の後ずさりを防止する「ヒルスタートアシスト」が採用されました。安全装備面では、SRSデュアル&サイド&カーテンエアバッグシステムやEBD付きABS、プリテンショナー&フォースリミッター付きシートベルトなどが採用されました。
グレード体系は、ベーシックな「スポーツ」と豪華な「リミテッド」の2タイプが用意されました。そして2012年をもって生産を終了、翌2013年に後継モデルの現行KL型チェロキーがリリースされました。KK型チェロキーの日本市場における展開は、2008年6月にまずリミテッドが導入され、翌2009年7月にスポーツが追加されました。