フィアット・クライスラー・オートモビルズは2014年3月に開催されたジュネーブ・モーターショーにおいて、ジープ・ブランド初の小型SUVとなる「レネゲード」を発表しました。2012年に生産終了となった「ジープ・リバティ」の実質的な後継モデルで、フィアット・ブランドのクロスオーバーSUV「500X」とプラットフォームを共有する姉妹車種の関係にありました。
ポップなエクステリアが特徴
ボディタイプは5ドアで、エクステリア・デザインは丸型2灯式のヘッドランプや7スロットのフロントグリルといったジープ・ブランドのアイコン性を継承しながらも、それまでにはないポップな雰囲気に仕立てられていました。また、SUVながらCd値0.34という良好な空力特性を実現したことも特徴でした。
ボディサイズは全長4,236mm×全幅1,805mm×全高1,667mmで、フィアット500Xと比較すると全高が高く、ホイールベースは共通の2,570mmに設定されました。駆動方式はFFとオンデマンド型4WDが設定され、後者には状況に応じて2WD/4WDの切り替えができる「PTU(パワートランスファーユニット)」や、走行モード切り替えシステムの「ジープ・テレインシステム」が装備されました。
エンジンは5種類
エンジンは、1.4L直4ターボ「マルチエアターボ」(最高出力140ps/最大トルク23.5kgm)と2.4L直4NA「マルチエア2」(最高出力185ps/最大トルク23.7kgm)のガソリン2種類と、1.6L直4(最高出力120ps/最大トルク32.6kgm)と2L直4(最高出力140ps/最大トルク35.7kgm)のディーゼルターボ「マルチジェット」2種類がラインナップされました。
その他に、ガソリンとエタノールが使用できる1.6L直4NAフレックス燃料型の「e-トルク」(最高出力110ps/最大トルク15.5kgm)も用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、1.4Lガソリンが6速MTまたは6速DCT、2.4Lガソリンが9速トルコン式AT、1.6Lディーゼルが6速MT、2Lディーゼルが6速MTまたは9速トルコン式AT、1.6Lフレックス燃料型が5速MTでした。
また、1.4Lガソリン車と1.6L/2Lディーゼル車には、アイドリングストップ機構が採用されました。サスペンション形式は4輪マクファーソンストラット式で、ブレーキはフロントがベンチテーテッド型、リアがソリッド型の4輪ディスク式が採用されました。そのほか4WD車のみの装備として、ブレーキを踏まずに一定速度でのダウンヒルができる「ヒルディセントコントロール」が採用されました。
予防安全装備も用意
グレードは下から「ロンジチュード」「リミテッド」「トレイルホーク」の3種類のラインナップで、安全装備面では全車にSRS7エアバッグシステムやブレーキアシスト付きABSが標準装備されるほか、上級グレードには予防安全装備の「前方衝突警報」や「LaneSence車線逸脱警報プラス」、「ブラインドスポットモニター/リアクロスパスディテクション」が装備されました。
日本市場への初上陸は2015年9月で、当初のグレードは1.4Lエンジン+6速DCT+FF方式の「オープニングエディション」およびリミテッドと、2.4Lエンジン+9速AT+4WD方式のトレイルホークが用意されました。その後オープニングエディションはカタログ落ちし、代わって2016年6月に同じドライブトレインを搭載するロンジチュードがリリースされました。