1970年に初代モデルがデビューしたランドローバーの高級SUV「レンジローバー」は、2002年4月に8年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け、3代目モデルに移行しました。基本構造がそれまでのラダーフレーム+4輪リジッド・サスペンションから、モノコックボディ+4輪独立懸架サスペンションに変更された他、パワートレインも一新されました。
BMW製エンジンを搭載
ボディタイプは先代同様5ドアのみの設定で、エクステリアはスクエアなフォルムが踏襲された一方、ヘッドランプが従来の角形2灯式から丸形4灯式に変更されフロントマスクのイメージが刷新されました。ボディサイズは全長4,950mm×全幅1,955mm×全高1,860mmで先代から一回り拡大され、ホイールベースも100mm以上長い2,880mmとなりました。
駆動方式はフルタイム4WDを踏襲し、エンジンは当初、BMW製の4.4L V8DOHCガソリンNA(最高出力286ps/最大トルク44.9kgm)及び2.9L直6SOHCディーゼルターボ(最高出力176ps/最大トルク39.8kgm)が用意されました。トランスミッションは先代から多段化され、副変速機付き5速トルコン式ATとの組み合わせとなりました。
サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット式/リア:ダブルウィッシュボーン式に一新されると共に、全車に「EAS」と呼ばれる相互関連電子制御エアサスペンションが標準装備されました。又、安全装備面ではABSがEBD&ブレーキアシスト付きにアップグレードされると共に、新たに横滑り防止装置「DSC」が採用されました。
スーパーチャージドエンジンを追加
そして2005年のフェイスリフトでフロントマスクを一新したフェイズ2に移行、同時に4.2L V8DOHCガソリン・スーパーチャージドエンジン(最高出力390ps/最大トルク56kgm)が追加された他、トランスミッションが全車6速化されました。又、その際にディーゼルターボが廃止されたものの、翌2006年にフォード製3.6L V8ディーゼルターボ(最高出力272ps/最大トルク65.3kgm)が追加されました。
次いで2009年に2度目のフェイスリフトが実施され、内外装を一部変更したフェイズ3に移行しました。同時に、ガソリンエンジンが5L V8DOHC NA(最高出力375ps/最大トルク52kgm)及び同スーパーチャージド(最高出力510ps/最大トルク63.7kgm)に置換されました。そして2012年8月にフルモデルチェンジが実施され、現行L405形に移行しました。
3台目レンジローバーが日本市場に上陸したのは2003年7月で、当初のグレード体系は下からガソリン4.4Lエンジン搭載の「SE」「HSE」「ヴォーグ」の3タイプでした。そして2005年7月にフェイズ2に切り替えられると同時に、ガソリン4.2Lスーパーチャージドエンジン搭載の「スーパーチャージド」が追加され、SEは廃止されました。
次いで2008年8月に車名が「レンジローバーヴォーグ」に変更されると共に、グレードが「4.4 V8」と「4.2 V8スーパーチャージド」の2タイプとなりました。続いて2009年12月にフェイズ3に切り替えられると共に、グレードが「5.0 V8」及び「5.0 V8スーパーチャージド」に変更されました。