イギリスのスポーツカー専門メーカーであったTVRは、1994年に新型2シーター・ロードスター「キミーラ」を発売しました。同社の主力モデルとして人気を博していた「グリフィス」がスーパースポーツ志向であったのに対し、それよりもマイルドなグランツーリスモ路線のキャラクターを備えていました。
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エンジンはローバー製がベース
ボディの構造は、他の同社製モデル同様チューブラフレームとFRPボディの組み合わせでした。スタイリングは、ロングノーズ・ショートデッキのプロポーションや丸みを帯びたフォルムなど、同社製モデルに共通する特徴が踏襲されました。ボディ・ディメンションは全長4,080mm×全幅1,720mm×全高1,220mm、ホイールベース2,282mmでした。
グリフィスとの比較では全長が130mm長く、それ以外は実質的に同等でした。また、車両重量はグリフィスと同一の1,060kgでした。サスペンション形式はグリフィス同様の4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式も同社伝統のFRが踏襲されました。エンジンは、ローバー製V8 OHVをベースに排気量を拡大したものが搭載されました。
当初のラインナップは、4L標準仕様(最高出力243ps/最大トルク37.3kgm)、同高圧縮比仕様(最高出力279ps/最大トルク42.2kgm)、4.3L(最高出力284ps/最大トルク42.2kgm)、4.5L(最高出力289ps/最大トルク42.8kgm)、5L(最高出力345ps/最大トルク44.2kgm)の5種類が用意されました。トランスミッションはいずれも5速MTとの組み合わせで、最も高性能な5L車は最高速度282km/h・0-60mph加速4.1sの性能を備えていました。
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TVR キミーラの走行シーン
パワステやエアコンはオプション設定
ステアリングは、パワーアシストを持たないロック・トゥ・ロック2.5回転のラック&ピニオン式が標準で、オプションでロック・トゥ・ロックが2.2回転となるパワーステアリングが用意されました。また、ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。グレード体系は、排気量を反映し「4.0」「4.0HC」「4.3」「4.5」「5.0」のラインナップとなっていました。
装備面では、TVRの文法に則りABSやエアバッグシステムなどの安全装備を持たなかった一方、集中ドアロックやレザーステアリング&レザーシート、ウッドパネルなどが標準で備わっていました。そのほか、オプションでマニュアルエアコンや6連奏CDチェンジャー、シートヒーターなどが用意されました。その後2000年に、5.0がカタログ落ちしました。
そして2001年に実質的な後継モデル「タモーラ」が登場したことにともない、2003年に生産終了となりました。日本市場には1995年に上陸を果たし、グレードは当初、4L標準仕様エンジン搭載の「400クラブマン」、4.5Lエンジン搭載の「450クラブマン」、5Lエンジン搭載の「500クラブマン」の3タイプがラインナップされました。
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