イギリスのスポーツカー専門メーカーであったTVRは、2002年に新型2シーター・スポーツカー「T350」を発売しました。前年にリリースされた「タモーラ」をベースに開発されたモデルで、同社のポリシーに則り、軽量化を図ったボディに大排気量・大パワーのエンジンが組み合わせられました。その後2006年に、TVRの経営破綻に伴い生産終了となりました。
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クーペとタルガトップを用意
ボディの構造は、タモーラなど他の同社製モデル同様、チューブラフレームとFRPボディを組み合わせたものでした。ボディタイプは、3ドア・ハッチバック・クーペの「T350c」と、タルガトップ風2ドア・コンバーチブルの「T350t」の2タイプが用意されました。スタイリングは、ロングノーズ・スモールキャビンのプロポーションや丸みを帯びたフォルムなど、タモーラの特徴が踏襲されました。
ボディ・ディメンションは全長3,974mm×全幅1,835mm×全高1,195mm、ホイールベース2,361mmで、全幅が拡大されたことを除きタモーラと同等でした。このディメンションは、ロータスのライトウエイトスポーツカー「エリーゼ」を一回り大きくした程度のコンパクトなものでした。車両重量はT350cが1,180kg、T350tが1,187kgで、タモーラからは100kg以上増加していました。
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TVR T350cのエンジン音
エンジンはタモーラと共通
サスペンション形式はタモーラ同様の4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式も同社伝統のFRが踏襲されました。エンジンは、タモーラ譲りのTVR製3.6L直6DOHC24バルブNA(最高出力350ps/7,500rpm・最大トルク40.1kgm/5,750rpm)が搭載され、トランスミッションは5速MTが組み合わせられました。パフォーマンスは最高速度が280km/h、0-60mph加速タイムが4.4sでした。
ステアリング形式はパワーシスト付きのラック&ピニオン式で、ブレーキはフロントに304mm、リアに282mmのローターが備わる4輪ベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。また、タイヤはフロントに225/35R18、リアに255/40ZR18が装着されました。そのほか、リア・ディファレンシャルには標準でLSDが備わっていました。
エアコンはオプション
安全装備面では、TVRの文法に則りABSやエアバッグシステム、横滑り防止装置、トラクションコントロールなどを持たない割り切った設計が行われていました。一方快適・豪華装備面では、パワーウィンドウや集中ドアロック、レザーステアリング&レザーシート、CDプレーヤー付カーオーディオなどが標準で備わったものの、エアコンはオプションでした。
日本市場においては、2004年から2005年にかけて右ハンドル仕様のT350c/T350tが正規輸入されました。
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