
ジャガー 420 1966
ジャガー・カーズは1966年10月、大型4ドアサルーン「マークX」の後継モデル「420G」と共に、小型4ドアサルーン「Sタイプ」の後継モデルとなる「420」を発表しました。全面的な改良が施された訳ではなく、SタイプのボディにマークXに類似したフロントマスクとパワートレインを移植した過渡的なモデルで、販売期間は短く生産台数も少数に留まりました。
バランスが整えられたスタイリング
開発の意図として、「Mk1/Mk2」をベースにボディ後半部分の延長及びリデザインを施したSタイプのスタイリングが不評で、販売不振の要因となっていた事が挙げられました。そこで、よりバランスの取れたスタイリングを実現すべく、マークX譲りの直立したフロントグリルと丸型4灯式ヘッドランプが備わるフロントマスクが与えられた経緯がありました。

ジャガー 420 1966
同時にエンジンベイも拡大された為、より排気量の大きいマークX/420G用のエンジンを搭載する事が可能となりました。ボディのディメンションは全長4,770mm×全幅1,700mm×全高1,430mm、ホイールベース2,730mmで、全高が10mm高められた事を除きSタイプと同一のスペックでした。一方で、車両重量は50kg程重い1,678kgとなりました。
エンジンは4.2L直6を搭載
サスペンション形式は、フロント:ダブルウィッシュボーン/コイル式・リア:ロワウィッシュボーン+ラディアスアーム/ツインコイル式による4輪独立懸架が踏襲されました。そしてSタイプの3.4L及び3.8L直6DOHC SUツインキャブレター仕様エンジンに代わって搭載されたのは、4.2L直6DOHC SUツインキャブレター仕様エンジン (最高出力248ps/最大トルク39.2kgm)でした。

ジャガー 420 1966
420Gに搭載される同エンジンのSU3連キャブレター仕様に対し最高出力で11ps劣っていたものの、それよりも車両重量が100kg軽かった為、最高速度は同等の198km/hに達しました。トランスミッションはSタイプ同様に、4速MT/オーバードライブ付き4速MT/3速トルコン式ATの3種類から選択する事が出来ました。

ジャガー 420 1966
又、4輪ディスク式のブレーキ形式や、リサーキュレーティング・ボール式のステアリング形式などもSタイプと共通でした。一方、タイヤサイズは6.40×16から6.40×15へと小径化されました。グレードはモノグレード設定であったものの、傘下に収めていたデイムラー・ブランドから内装が一部異なるバッジエンジニアリング「ソブリン」がリリースされました。

ジャガー 420 1966
420は販売面で幸先の良いスタートを切ったものの、1968年になると同年末に予定されていた後継モデル「XJ6」のリリースを待つことなく生産終了となりました。