初代モデルがプリンス自動車より1957年4月にリリースされた中型乗用車「スカイライン」は、2006年11月に5年ぶり11度目のフルモデルチェンジを受け、12代目V36型に移行しました。先代で一新された基本コンセプトを踏襲しながらも、サスペンションの刷新やエンジンのリファインなど、さまざまな変更が施されました。
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まずはセダンのみでスタート
ボディタイプは当初は4ドアセダンのみの設定で、クーペは先代V35型が継続販売されました。スタイリングはキープコンセプトで、先代譲りの流麗なフォルムが継承されました。ボディサイズは全長4,755mm×全幅1,770mm×全高1,450~1,465mmで、先代から全長と全幅が拡大された一方、全高は僅かに低められました。ホイールベースは2,850mmで、先代と同一でした。
駆動方式は先代同様FRとフルタイム4WDが設定され、エンジンは先代同様のV6DOHC NAながら吸排気システムが一新されました。用意されたのは、2.5LのVQ25HR型(最高出力225ps/最大トルク26.8kgm)と3.5LのVQ35HR型(最高出力315ps/最大トルク36.5kgm)の2種類で、組み合わせられるトランスミッションはマニュアルモード付5速トルコン式ATに一本化されました。
サスペンション形式は先代の4輪マルチリンク式から、フロントがダブルウィッシュボーン式に変更されました。また、一部グレードに4輪操舵システムがオプション設定されたほか、安全装備として新たに自動ブレーキシステムの「インテリジェントブレーキアシスト」や前車追従型の「インテリジェントクルーズコントロール」などがオプション設定されました。
クーペやクロスオーバーSUVを追加
当初のグレード体系は、2.5Lエンジン搭載の「250GT」「250GT FOUR」と3.5Lエンジン搭載の「350GT」が基本で、さらに2.5L車に「タイプV」「タイプP」が、3.5L車に「タイプS」「タイプP」「タイプSP」が設定されました。その後2007年10月に、3.7L V6DOHC NAのVQ37VHR型エンジン(最高出力333ps/最大トルク37kgm)+6速MTまたは5速トルコン式ATを搭載する2ドアクーペ「370GT」シリーズが追加されました。
次いで2008年12月に一部改良が実施され、SRSカーテン&サイドエアバッグシステムやアクティブAFS(ヘッドランプ配光自動調整システム)が全車に標準化されました。同時にクーペのATが7速に多段化されたほか、セダン350GT系がクーペと共通のエンジンを搭載する370GT系に置き換えられました。
続いて2009年7月、クロスオーバーSUVタイプの派生モデル「スカイラインクロスオーバー」が発売されました。一方クーペ/セダンは、2010年1月の一部改良でエクステリアの小変更や装備の追加が行われるとともに、2.5L・FR車のATが7速化されました。そして2014年2月にセダンのフルモデルチェンジが実施され、現行V37型に移行しました。
一方、クーペとクロスオーバーは2016年までV36型のまま販売が継続されたのち、生産終了となりました。