フォード・モーター2006年、前年に生産終了となったリンカーン・ブランドの高級SUV「アビエーター」の後継モデルとなる新型クロスオーバーSUV「MKX」を発売しました。ほぼ同時期にフォード・ブランドから発売された「エッジ」とは、プラットフォームやボディシェルなどを共有する姉妹車種の関係にありました。
スタイリングを一新
ボディタイプはアビエーター同様5ドアのみの設定で、スタイリングは水平基調のスラントしたフロントグリルや傾斜の強められたA/Cピラーが採用されるなど、大きくイメージを変えました。ボディサイズは全長4,737mm×全幅1,925mm×全高1,714mmで、アビエーターから全長と全高が縮小された一方、全幅は拡大されました。
又、2,824mmに設定されたホイールベースは、アビエーターから若干短縮されていました。サスペンション形式はフロント:ストラット式/リア:マルチリンク式で、駆動方式は「インテリジェントAWD」と呼ばれる電子制御式フルタイム4WDの他にFFも設定されました。エンジンはアビエーターからダウンサイジングされ、当初3.5L V6DOHC(最高出力269ps/最大トルク34.6kgm)が搭載されました。
トランスミッションは、新開発された6速トルコン式ATが組み合わせられました。室内は2列シート5人乗り仕様で、安全装備としてSRSデュアル&サイドエアバッグシステムやABS、トラクションコントロールなどが採用されました。又、快適・豪華装備として電動パノラミックルーフやレザーシート&運転席パワーシート、クルーズコントロールなどが標準装備されました。
フェイスリフトで大幅に改良
その後、2010年のフェイスリフトにより「スプリット・ウイング・グリル」の採用や内装マテリアルの一部変更、新インフォテインメントシステム「My Lincoln Touch(マイ・リンカーン・タッチ)」の採用などのリファインが行われました。同時に、エンジンが3.7L V6DOHC(最高出力309ps/最大トルク38.7kgm)に置換された他、足回りやブレーキの強化も図られました。
更に、走行性能を向上させる電子デバイス「ロール・スタビリティ・コントロール付アドバンストラック」が採用されました。そして2015年にフルモデルチェンジが実施され、現行モデルに移行しました。初代リンカーン・MKXは、2008年9月に日本市場への導入が開始されました。モノグレード設定で、駆動方式は4WDのみが用意されました。
その後2009年6月の仕様変更により、衝突後警音機作動システム「SOSポスト・クラッシュ・アラート」などが採用されました。次いで2010年7月に装備を充実させた特別仕様車「タキシードブラック」が30台限定でリリースされ、翌2011年4月にはフェイスリフト版への切り替えが行われました。