三菱自動車は1989年2月に、一足先にデビューした6代目「ミニカ」をベースにルーフをストレッチした軽トールワゴン「ミニカトッポ」を発売しました。5ナンバーの乗用モデルと4ナンバーの商用モデルが用意され、特に乗用タイプのトールワゴンとしては業界初であり、スズキの「ワゴンR」よりも4年も先行する企画でした。
左右非対称のスタイリング
ボディタイプは3ドアハッチバックで、後席へのアクセス性を考慮し左ドアが右ドアよりも長く設定された左右非対称のデザインや、巨大なガラスエリアを持つグリーンハウスなど、ユニークなスタイリングを備えていました。ボディサイズは全長3,295mm×全幅1,395mm×全高1,695~1,745mmで、全長・全幅は当時の軽自動車規格に準じたものながら、全高はミニカよりも200mm以上高いものでした。
ホイールベースはミニカと同一の2,260mmで、車両重量は初期型で620~740kgでした。サスペンション形式はミニカと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:3リンク式で、駆動方式も同様にFFとフルタイム4WDが設定されました。エンジンは、当初用意されたのは0.66L直3NAの3G83型で、SOHC仕様と2種類のDOHC仕様がラインナップされました。
スペックは、SOHC仕様が最高出力40ps/最大トルク5.2kgm、DOHC仕様が最高出力46ps/最大トルク5.3kgm及び最高出力52ps/最大トルク5.7kgmで、トランスミッションはそれぞれに4速MT/5速MT/3速トルコン式ATが設定されました。発売当初のグレード体系は、乗用モデルが下から「B」「Q」「Q2」「Q2-4」の4タイプ、商用モデルが「C」「U」「U2」「U2-4」の4タイプでした。
特別仕様車やターボ車を追加
そして1990年10月に、Q2をベースにパワーステアリングやパワーウィンドウ、タコメーター、フォグランプなどを装備した特別仕様車「Q坊」が設定されました。次いで1991年3月に特装車「フラワーエクスプレス」が発売され、追って5月には一部改良と同時にパワーステアリングやタコメーターが備わるトップグレード「Q3」が追加されました。
更に同年8月、特別仕様車Q坊がQ3をベースに6連装CDオートチェンジャーなどを追加装備して再登場しました。次いで1992年1月のマイナーチェンジでフェイスリフトが実施されると共に、3G83型DOHCインタークーラーターボエンジン(最高出力64ps/最大トルク9.8kgm)を搭載する「Qt」、ABSが標準装備される「Qa」、キャンバストップが装備される「Qc」が追加されました。
次いで1992年8月と1993年5月にも、特別仕様車Q坊が設定されました。そして1993年9月のフルモデルチェンジにより、2代目モデルにバトンタッチされました。