日産自動車は1980年6月、日産プリンス店系列より、1978年5月に「チェリーF-Ⅱ」の後継車種としてデビューした日産チェリー店向け大衆車「パルサー」の姉妹車種となる「ラングレー」をリリースしました。ボディや基本メカニズムはパルサーと共通ながら、「スカイライン」の弟分として位置付けられ独自のフロント/リア廻りのデザインが採用されました。
3ドアハッチバックのみを用意
ボディタイプは3ドア/5ドアハッチバック、4ドアセダン、3ドアクーペ、5ドアライトバンと多彩なラインナップを誇ったパルサーとは異なり、3ドアハッチバックのみのラインナップでした。ボディサイズは全長3,960mm×全幅1,620mm×全高1,360mm、ホイールベースは2,395mmで、パルサー・3ドアハッチバックと共通のディメンションでした。
サスペンションもパルサーと共通で、フロント:ストラット式/リア:トレーリングアーム式による4輪独立懸架が踏襲されました。駆動方式もFFが踏襲され、エンジンは当初、パルサーに設定されていた1.2L直4OHVシングルキャブレター仕様のA12型、1.4L直4OHVシングルキャブレター仕様のA14型、同EGI仕様のA14Eの内、A14型とA14E型が用意されました。
最高出力/最大トルクはA14型が80ps/11.5kgm、A14E型が92ps/11.7kgmでパルサーから変更はなく、トランスミッションは当初5速MTのみの設定でした。又、フロント:ディスク式/リア:ドラム式のブレーキや、ラック&ピニオン式のステアリング形式も同一で、インテリア面も丸型4眼式メーターを採用する水平基調のインパネなど、基本的にパルサーと共通の意匠でした。
M/Cでエンジンを置換
装備面では、A14型エンジン搭載の上級グレード「タイプ-X」及びA14E型エンジン搭載の最上級グレード「タイプ-XE」には165/70SR13サイズのスチールラジアルタイヤや、運転席・助手席から開閉操作が可能なリモコン式リアサイドウィンドウが装備されました。そして1981年3月、パルサーと同時にマイナーチェンジが実施され、エンジンが1.5L直4SOHCのE15型に置換されました。
電子制御式キャブレター仕様のE15S型とEGI仕様のE15E型の2種類が用意され、最高出力/最大トルクはE15S型がA14型から5ps/0.8kgmアップの85ps/12.3kgm、A15E型がA14E型から3ps/0.8kgmアップの95ps/12.5kgmとなりました。同時に、3速トルコン式AT「ニッサンマチック」が設定された他、5速MT仕様のシフトパターンが変更されました。
そして1982年6月、パルサーに2か月遅れてフルモデルチェンジが実施され、同様に姉妹車種となる2代目N12型に移行しました。