日産のBセグメントコンパクトカー「ノート」は、2012年9月にフルモデルチェンジを実施し、2代目となりました。同時に同じセグメントの「ティーダ」がそのまま生産終了となった為、両モデルを統合して後を継ぐ形となりました。既に欧州で流行していた小排気量エンジン+過給器によるダウンサイジング路線を、国産車としていち早く導入した事が最大の特徴でした。
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空力ボディと小排気量エンジンの組み合わせ
ボディサイズは全長4,100mm×全幅1,695mm×全高1,525mm~1,535mmで、先代と比べ全長が若干拡大されたものの、全幅は日本の路上で扱い易い5ナンバーサイズが維持されました。プラットフォームは、先代のBプラットフォームから「マーチ」などと共通のVプラットフォームに変更されました。ホイールベースはマーチよりも150mm延長され、先代同様の2,600mmに設定されました。
車両重量は1,030kg~1,110kgで、先代よりも60kg~70kg軽量化されました。サスペンション形式は、先代同様の前ストラット式/後トーションビーム式が踏襲されました。スタイリングは、先代のショートノーズ・ロングルーフのプロポーションを踏襲しつつも、傾斜の強められたAピラーやボディ側面の「スカッシュライン」と呼ばれる独特なプレスラインなどにより、大きくイメージを変えました。
燃費性能向上の為空力特性も改善され、Cd値はハッチバック車としては優秀な0.29~0.3を実現しました。パワートレインは一新され、エンジンが大幅にダウンサイジングされて、先代の1.5L及び1.6Lの直4NAに替え1.2L直3NA及びスーパーチャージャー付となりました。NA車のエンジンはマーチと同一のHR12DE型で、最高出力79ps/最大トルク10.8kmgのスペックも同一となっています。
一方、スーパーチャージャー付エンジンは新開発された直噴ミラーサイクルのHR12DDR型で、最高出力98ps/最大トルク14.5kgmという、先代の1.5Lに迫るスペックとなっています。駆動方式は先代同様、FFの他に電気式パートタイム4WDが設定されました。トランスミッションは全車がジャトコ製副変速機付きCVTに統一され、トルコン式ATは廃止されました。
マイナーチェンジで安全装備が充実、ホットバージョンも追加
インテリア面では居住性を大幅に改善した事、装備面では上級グレードにアラウンドビューモニターを装備した事などが特徴でした。そして、2013年12月にマイナーチェンジを実施し、アラウンドビューモニターに移動物検知機能を追加した他、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱警報を装備する「エマージェンシーブレーキパッケージ」を設定しました。
次いで2014年10月に2度目のマイナーチェンジを実施し、装備やグレード体系の見直しが行われました。同時に、ホットハッチバージョンの「NISMO」及び「NISMO S」が追加されました。パワートレインは、前者がHR12DDR型エンジン+CVT、後者が1.6L直4NAのHR16DE型エンジン(最高出力140ps/最大トルク16.6kgm)+5速MTの組み合わせで、駆動方式は共にFFのみが設定されました。
又、リアブレーキがベースモデルのドラム式からディスク式にアップグレードされた他、外装面でも専用エアロパーツやフロントグリルなどにより差別化が図られました。2代目ノートは、発売開始と同時にベストセラーとなり、一時期は純ガソリン車として販売台数トップを維持など、日産のドル箱的存在となりました。又、2013年RCJカーオブザイヤオーを受賞するなど、評論家筋からも高い評価を得ています。