日産の小型ステーションワゴン「ウイングロード」の初代モデルは、「サニー・カリフォルニア」と「ADワゴン」を統合した後継車種として1996年5月にデビューしました。フルモデルチェンジではなくマイナーチェンジであったものの、ボディの延長により外観のイメージが変わると共にラゲッジスペースが拡大されるなど、大掛かりな変更が行われました。
フロント&リア廻りのデザインを変更
スタイリングの変更点は主にフロントマスクとリア廻りで、ボディサイズは全長が先代両モデルから120mm拡大され全長4,295mm×全幅1,665mm×全高1,525mmとなりました。ホイールベースは同一の2,400mmで、車両重量は初期型で1,000~1,220kgでした。サスペンション形式はフロント:ストラット式/リア:トーションビーム式が踏襲され、駆動方式も同様にFFとフルタイム4WDが設定されました。
エンジンは、先代両モデルに搭載された1.5L 直4ガソリンのGA15DE型(最高出力105ps/最大トルク13.8kgm)と、ADワゴンにのみ用意された2L直4ディーゼルのCD20型(最高出力76ps/最大トルク13.5kgm)がキャリオーバーされた他、新たに1.8L直4ガソリンのSR18DE型(最高出力125ps/最大トルク16kgm)が追加されました。トランスミッションは、5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
グレード体系は、1.5L の「LEエクストラ」「LE」「JS」「カリフォルニア」、1.8Lの「JSツーリング」「カリフォルニアツーリング」、2Lディーゼルの「LEエクストラ」「LE」「JS」がラインナップされました。更に1.5L/1.8L車には、専用フロントスポイラーやシビエ製フォグランプ、パナソニック製オーディオシステムなどが備わる特別仕様車「エアロエクスプレス」シリーズが設定されました。
2Lエンジン搭載の特別仕様車を追加
そして同年10月に、1.8Lエンジン搭載の特別仕様車「JSツーリングリミテッド」「カリフォルニアツーリングリミテッド」が発売されました。次いで1997年5月のマイナーチェンジでフェイスリフトや内装の一部変更などが行われ、更に同年7月に特別仕様車「エアロエクスプレス2.0JSツーリング」「エアロエクスプレス2.0カリフォルニアツーリング」が発売されました。
共に2L直4ガソリンのSR20DE型エンジン(最高出力150ps/最大トルク19kgm)を搭載すると共に、ローダウンサスペンションやフジツボ製マフラー、15インチアルミホイールなどを装備するスポーティモデルでした。続いて1998年1月に、1.5Lエンジン搭載の特別仕様車「JSリミテッド」「カリフォルニアリミテッド」が発売されました。そして1999年5月にフルモデルチェンジが実施され、2代目Y11型に移行しました。