日産自動車は1979年6月、プレミアムモデル「セドリック」及び「グロリア」を4年ぶりにフルモデルチェンジ、セドリックは通算5代目、グロリアは通算6代目モデルとなりました。先代のデコラティブなスタイリングから一転し、直線基調のプレーンなエクステリアデザインが採用された他、国産車初のターボエンジン搭載車が追加された事が特徴でした。
ワゴンが復活し2ドアHTは廃止に
ボディタイプは、当初4ドアセダンと4ドアハードトップ、そして2世代ぶりに復活した乗用登録の5ドアステーションワゴンがラインナップされ、2ドアハードトップは廃止になりました。ボディサイズは全長4,690~4,825mm×全幅1,690~1,715mm×全高1,410~1,430mmで、上級グレードは全長・全幅が拡大され3ナンバーサイズとなりました。
ホイールベースは先代と同一の2,690mmで、サスペンション形式はフロントはダブルウィッシュボーン式を踏襲、リアはリジッド・リーフ式から5リンク式に変更されました。駆動方式はFRを踏襲し、エンジンは2L直6SOHCキャブレター仕様のL20型、同EGI仕様のL20E型、2.8L直6SOHC EGI仕様のL28E型のガソリン3タイプが主力でした。
最高出力/最大トルクはそれぞれ115ps/16.5kgm、130ps/17.5kgm、145ps/23kgmでした。その他に、2L直4OHVのSD20型及び2.2L直4OHVのSD22型のディーゼル2種類と、タクシー用途向けに2L直4SOHCのZ20P型及び2L直6SOHCのL20P型のLPG仕様2種類が用意されました。トランスミッションは、4速/5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。
直6ディーゼル車を追加
そして同年9月にステーションワゴンと同一のボディを持つバンが、更に翌10月にはL20E型エンジンにターボチャージャーを装備したL20ET型エンジン(最高出力145ps/最大トルク21kgm)搭載車と、国産乗用車初となる直6ディーゼル(2.8L SOHC)のLD28型エンジン(最高出力91ps/最大トルク17.3kgm)搭載車が追加されました。
次いで1980年4月、ターボエンジン搭載車に4輪ディスクブレーキが備わる最上級グレード「ターボブロアム」が追加されました。続いて1981年4月のマイナーチェンジにより、内外装の一部変更や装備の充実化、グレード体系の一部見直しなどが行われました。同時にL28E型エンジンに改良が施され、アウトプットが最高出力155ps/最大トルク23.5kmgに向上しました。
次いで1982年6月の一部改良で、4速トルコン式ATの設定やL20系エンジンの改良などが行われると同時に、ディーゼル車が昭和57年排出ガス規制に、バン・ガソリン車が昭和56年排出ガス規制にそれぞれ適合しました。そして1983年6月にフルモデルチェンジが実施され、V6ガソリンエンジンを採用したY30型に移行しました。