プジョーは1993年、1985年にリリースした「309」の後継モデルとなるFFコンパクトカー「306」を発売しました。当初は3ドア/5ドアハッチバックのみのラインナップだったものの、追って4ドアセダンや2ドアカブリオレ、5ドアステーションワゴンの「ブレーク」が加わるなど、多彩なボディ・ラインナップが揃う事となりました。
ハッチバックは2ボックス型に
ピニンファリーナのデザインによるスタイリングは、309の3ボックス型から2ボックス型に変更されると共に、それまでよりも丸みを帯びたフォルムや異形ヘッドランプが採用されるなど、イメージが一新されました。ボディサイズは全長4,030mm×全幅1,695mm×全高1,390mmで、309から僅かに短くワイドなディメンションとなりました。
又、ホイールベースは160mm長い2,580mmに設定されました。エンジンは、1.1L SOHC(最高出力59hp)/1.4L SOHC(最高出力74hp)/1.6L SOHC(最高出力89hp)/1.8L SOHC(最高出力102hp)/2L SOHC(最高出力121hp)/同DOHC16V(最高出力157hp)のガソリン直4と、1.9L SOHC NA(最高出力70hp)/同ターボ(最高出力89hp)のディーゼル直4が用意されました。
サスペンション形式は309同様、フロントがマクファーソンストラット/コイル式、リアがレーリングアーム/トーションバー式による4輪独立懸架でした。その後1997年に最初のフェイスリフトが実施されフェイズ2に移行、1999年には2度目のフェイスリフトによりフェイズ3に移行しました。そして2001年、後継モデル「307」のデビューに伴い生産終了となりました。
日本向けはガソリンモデルのみ
日本に正規輸入された306は、全てガソリンモデルでした。初上陸を果たしたのは1994年2月で、1.8Lエンジン(最高出力100ps/最大15.6kgm)+4速AT搭載の5ドア「XR」「XT」、2L SOHCエンジン(最高出力120ps/最大18.3kgm)+4速AT搭載の3ドア/5ドア「XSi」、同エンジン+5速MT搭載の3ドア「XSi」が用意されました。
追って同年6月に2L DOHC16Vエンジン(最高出力150ps/最大19.3kgm)+5速MT搭載の3ドア「S16」が、更に同年8月には2L SOHCエンジン+4速ATを搭載するカブリオレが追加されました。次いで1995年1月にXTのエンジンが2L SOHCに置換され、翌2月には4ドアセダン(1.8Lエンジン+4速AT搭載の「SR」と2L SOHCエンジン+4速AT搭載の「ST」)の導入が開始されました。
次いで1995年11月、XRに代わる廉価グレードとして1.8Lエンジン+5速MT/4速AT搭載の3ドア「スタイル」が追加され、翌1996年9月には5ドアにも同グレードが設定されました。続いて1997年8月にフェイズ2に切り替えられると共に、セダンがカタログ落ちしました。同時に、SOHCだった1.8L/2LエンジンがDOHC(8V)化されました。
それに伴い、アウトプットがそれぞれ最高出力110ps/最大15.5kgm、最高出力132ps/最大18.7kgmとなりました。又、S16用DOHC16Vエンジンに改良が施され、最高出力が163psに向上しました。グレード体系の面では5ドアXTが廃止され、代わって2L DOHC8Vエンジン+4速AT搭載の「カシミール」が設定されました。
追って同年12月には、2L DOHC8Vエンジン+4速ATを搭載するブレークの導入が開始されました。次いで1999年9月、スタイル/カシミールが廃止され、代わって1.8Lエンジン+5速MT又は2L DOHC8Vエンジン+4速ATを搭載する「スタイルプレミアム」が設定されました。