トヨタ自動車は1978年8月、トヨペット店より同車初のFF車となるコンパクトカー「コルサ」を発売しました。同時にカローラ店/ディーゼル店よりデビューした「ターセル」とはプラットフォームやボディ、パワートレインなどを共有する姉妹車種で、整備性やドライバビリティを考慮し当時のFF車としては珍しくエンジンを縦置き方式とした点が特徴でした。
クラスを超えた居住性を実現
ボディタイプは3ドアハッチバックと2ドア/4ドアセダンの3タイプが用意され、どのボディも直線基調のプレーンなスタイリングを備えていました。又、ターセルとの比較ではエンブレムの相違の他に、フロントグリルやリア廻りの意匠が異なっていました。ハッチバック初期型のボディサイズは、E30型カローラよりも一回りコンパクトな全長3,960~3,990mm×全幅1,555mm×全高1,375mmでした。
一方、ホイールベースはそれより130mm長い2,500mmに設定され、FF車ならではのフラットフロアと相まってクラスを超えた居住性を実現していました。サスペションはフロント:マクファーソンストラット式/リア:トレーリングアーム式による4輪独立懸架で、リアにリジッド・リーフ式を採用していたカローラよりも先進的な機構でした。
パワートレインは1.5L+MTでスタート
エンジンは、発売当初は1.5L直4SOHCの1A-U型(最高出力80ps/最大トルク11.5kgm)のみの設定で、トランスミッションは4速又は5速のMTが組み合わせられました。当初のグレード体系は、下から「DELUXE」「GS」「GSL」の3タイプがラインナップされました。そして1979年6月に、1.3L直4SOHCの2A-U型エンジン(最高出力74ps/最大トルク10.7kgm)搭載車が追加されました。
同時に、1.5L車のエンジンがE70型にフルモデルチェンジしたカローラ/スプリンターと共通の3A-U型(最高出力83ps/最大トルク12kgm)に置換されると共に、3速トルコン式AT仕様が追加されました。次いで1980年8月にマイナーチェンジを受け、スラントノーズ化とそれに伴うヘッドランプやフロントグリル形状の変更が行われました。
同時に前後のバンパー形状が変更されると共に、フロントウィンカーの位置がバンパー下部からバンパー埋め込み式に変更されました。こうした変更に伴い、全長が3,980~4,035mmに延長されました。グレード体系は、1.3L 2ドアがSTANDARD/DELUXE、同3ドア/4ドアがDELUXE-A/DELUXE/GL/GSL、1.5L 4ドアがGL/GSL/GSLアベニュー仕様、同3ドアがGL/S/GSL/GSLアベニュー仕様となりました。
これらの内トップグレードとして新設定されたGSLアベニュー仕様には、ハロゲンヘッドランプやランバーサポート付きドライバーズシートなどが装備されました。そして1982年5月にフルモデルチェンジが実施され、2代目L2♯型に移行しました。