1978年にトヨタ自動車初のFF車として発売されたコンパクトカー「コルサ」は、1994年9月に4年ぶり4度目のフルモデルチェンジを受け5代目モデルに移行しました。先代からプラットフォームや基本メカニズムが踏襲された一方で、スタイリングは先代のイメージを受け継ぎながらも直線基調のシャープなフォルムに変貌しました。
エンジンは先代からのキャリオーバー
ボディタイプは先代同様、3ドアハッチバックと4ドアセダン用意されました。ハッチバックのボディサイズは全長3,915mm×全幅1,660mm×全高1,370~1,385mmで、先代から全長が若干縮小された一方全幅と全高が僅かに拡大されました。一方セダンはそれぞれ4,120mm×1,660mm×全高1,370~1,385mmで、全長が10mm延長された以外は先代と同一でした。
ホイールベースは両ボディ共先代と同一の2,380mmで、初期型の車両重量は先代後期型と同等の820~1,040kgでした。駆動方式は先代同様FFとフルタイム4WDが設定され、サスペション形式もフロント:ストラット式/リア:トーションビーム式(FF)・4リンク式(4WD)が踏襲されました。
エンジンは、1.3L直4DOHCの4E-FE型(最高出力88ps最大トルク/11.8kgm)及び1.5L直4DOHCの5E-FE型(FF:最高出力94ps/最大トルク13.5kgm・4WD:最高出力91ps/最大トルク13.2kgm)のガソリン2種類と、1.5L直4SOHCディーゼルターボの1N-T型(最高出力67ps/最大トルク14kgm)が先代からキャリオーバーされ、1.5Lガソリンの高出力版5E-FHE型は廃止されました。
ガソリン両ユニットは先代から最高出力が低下した一方で、燃費が向上しました。トランスミッションは先代同様、1.3L車に4速MT/3速トルコン式ATが、1.5L車に5速MT/4速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、ハッチバックが下から「MOA Eパッケージ」「MOA」「SOPHIA」「シンシア」の4タイプ、セダンが「AX Eパッケージ」「AX」「AX-X」「VIT-X」の4タイプでした。
改良により安全性が向上
次いで同年8月の仕様変更で、全車に運転席SRSデュアルエアバッグシステムやABS、ハイマウントストップランプが標準装備されました。この改良に伴い、車両重量は840~1,050kgに増加しました。次いで同年12月のマイナーチェンジで衝突安全ボディ「GOA」が採用されると共に、内外装が一部変更されました。車両重量は更に増加し、870~1,060kgとなりました。
そして1999年7月に生産を終了しコルサの車名はラインナップから消滅、21年の歴史に幕を下ろしました。実質的な後継モデルとなったのは、同年1月に登場したハッチバック車「ヴィッツ」と同年8月に登場した4ドアセダン「プラッツ」でした。