初代モデルが2004年にデビューしたトヨタ自動車のAセグメントコンパクトカー「パッソ」は、2016年4月12日に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジし、3代目モデルに移行しました。ダイハツ工業との共同開発であった先代までと異なり、ダイハツ単独開発によるOEM供給モデルとなりました。先代からパワートレインの改良などが図られ、燃費性能などが向上しました。
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プラットフォームを一新
プラットフォームは一新され、従来同様5ドアハッチバックとなるボディは軽量高剛性化や空力特性の向上が図られたものとなっています。スタイリングは先代のイメージを受け継ぎながらも、取り回しや居住性に配慮し水平基調のベルトラインやルーフラインが採用された他、従来同様ダイハツ版の姉妹車種「ブーン」に対しフロント廻りやリア廻りが異なる意匠となっています。
ボディサイズはブーンと同一の全長3,650~3,660mm×全幅1,665mm×1,525mmで、先代との比較においてもほぼ同等となっています。一方、ホイールベースは50mm延長され2,490mmとなり、車両重量は先代と同等若しくは若干軽い910kg~960kgとなります。又、トレッド拡大によるステアリング切れ角の増大により、最小回転半径は0.1m小さい4.6mとなっています。
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トヨタ パッソのCM
エンジンはダイハツ製1L直3のみに
駆動方式は従来同様FFとフルタイム4WDが設定され、サスペンション形式も同様にフロント:ストラット式/リア:トーションビーム式(FF)・トレーリングリンク式(4WD)が踏襲されます。エンジンは自社製の1.3L直4が廃止され、ダイハツ製の1L直3DOHCの1KR-FE型(最高出力69ps/最大トルク9.4kgm)に一本化されました。
このエンジンは先代からのキャリオーバーながら、新たにダイハツ独自の低燃費技術「e:Sテクノロジー」が導入され、JC08モード燃費は先代の21~27.6km/Lからガソリン登録車トップレベルの24.4~28km/Lへと向上を果たしました。トランスミッションはCVTを踏襲しつつ、制御の見直しにより加速性能や登坂能力の改善が図られました。
ダイハツ製衝突被害軽減ブレーキを設定
室内面では、前後乗員間の距離が拡大されると共に、メーターパネルのデザイン刷新やシフトレバー位置の移動(ステアリングコラムからインパネ上に)などが図られました。又、安全装備面ではヒルホールドシステムや全席シートリマインダーなどが全車に標準装備される他、クラス初の装備としてダイハツ製の衝突被害軽減ブレーキ「スマートアシストⅡ」が設定されました。
グレード体系は標準グレード「X」と専用フロントマスクなどが備わる上級グレード「モーダ」の2タイプが基本で、更にXには「S」「Lパッケージ」「Lパッケージ・S」「Gパッケージ」が、モーダには「S」「Gパッケージ」が設定され、いずれもGパッケージ及び「S」の名が付くグレードがスマートアシストⅡ装着車となっています。
パッソ (2代目 XC30 ’10-):より女性ユーザー重視の設計になり、燃費も向上
トヨタの登録車としては最小モデルとなる5ドアコンパクトカー「パッソ」は、2010年2月に6年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施し、2代目の現行型となりました。初代モデル同様ダイハツとの共同開発で、キープコンセプトにより大幅なイメージチェンジは避けられたものの、女性開発スタッフがメインとなり女性目線での車造りが行われた事が特徴となっています。
フレンドリーなスタイリングやコンパクトなサイズを踏襲
スタイリングは丸みを帯びたフレンドリーなもので、先代の雰囲気を色濃く残しながら、Aピラーの形状変更により運転席からの視界を向上させるなどの細やかな工夫が凝らされました。又、標準モデルの他、専用エクステリアを備える派生モデル「+Hana」が設定されました。姉妹車種の「ダイハツ・ブーン」との比較では、ブーンは「+Hana」に該当するモデルが存在せず、標準モデル(内外装はほぼ同一)のみのとなる点が異なります。
ボディサイズは全長3,640mm~3,650mm×全幅1,665mm×全高1,535mmで、先代より全長が僅かに拡大された以外はほぼ同一のサイズとなっています。又、プラットフォームを踏襲する為ホイールベースも同一の2,440mmで、車両重量も先代と大差ない910kg~970kgに抑えられています。駆動方式は先代同様FFとフルタイム4WDが設定され、それぞれで異なるリアサスペンションが与えられます。
先代よりも燃費が向上
フロントサスペンションはFF/4WD共にストラット式を踏襲し、リアはFFがトーションビーム式を踏襲、4WDは3リンク式からトレーリングリンク式に変更されています。エンジンは先代同様1Lと1.3Lの2本立てで、1Lはダイハツの設計による直3の1KR-FE型(最高出力69ps/最大トルク9.4kgm)を踏襲、1.3LはDUAL VVT-iを搭載する直4の1NR-FE型(最高出力95ps/最大トルク12.3kgm)に置換されました。
トランスミッションは先代の4速トルコン式ATからCVTに変更され、燃費が約5%改善されました。インテリアは、先代同様丸みを帯びたデザインのインパネを採用するなど、ファンシーな雰囲気が受け継がれました。そして2012年6月に一部改良を行い、各部のフリクション低減による燃費向上や、1L FF車にアイドリングストップ機構をオプション設定するなどの変更が行われました。
次いで2014年4月にマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトによりイメージを一新すると共に、全車にVSC(横滑り防止装置)やトラクションコントロールなどが装備され安全性が向上しました。同時に、1KR-FE型エンジンが大幅に改良され、減速エネルギー回生機構の採用やボディの空力特性改善、アイドリングストップ機構の採用(最廉価グレードを除くFF車)と相まって、燃費が最大で約30%向上しました。
パッソは女性ユーザーを中心に人気が高く、現行モデルがデビューした2010年は販売台数ランキングベスト10入りを果たした他、その後も現在に至るまで常に10位台にランキングされています。又、経済性の面で有利な1L車が販売の主力となる為、1.3L車を主力とする「ヴィッツ」との棲み分けにも成功しています。
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