トヨタのミニバン「プリウスα」は、3代目「プリウス」をベースとした派生モデルとして2011年1月のデトロイトモーターショーでデビュー、同年5月に日本国内での販売が開始されました。プリウス同様ハイブリッド専用車で、ボディサイズが一回り拡大されると共に7人乗り仕様も設定される点が特徴となります。同時に、プリウス譲りの燃費性能・環境性能を備えたモデルとなっています。
トライアングルシルエットを踏襲
ボディタイプはオールヒンジドアの5ドアステーションワゴンで、プリウスと共通のトライアングルシルエットの採用などにより、同じファミリーである事が一目で分かるスタイリングが備わります。又、空力特性にも配慮され、Cd値はミニバンとしては優秀な0.29(プリウスは0.25)となっています。ボディサイズは全長4,615~4,645mm×全幅1,775mm×全高1,575~1,600mmで、全ての項目でプリウスより拡大されています。
ホイールベースも80mm延長され2,780mmとなる他、車両重量も増加し1,450~1,490kgとなっています。乗車定員は、プリウスと同様の2列シート5人乗り仕様の他、前述のように3列シート採用の7人乗り仕様が設定されます。サスペンションはプリウスと同様の前:ストラット式/後:トーションビーム式を踏襲しながら、重量増加に対応し強化が図られています。
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プリウスと同一のハイブリッドユニットを搭載
パワートレインは、プリウスと共通のスプリット式ハイブリッドシステム「リダクション機構付THS-Ⅱ」を搭載し、駆動方式も同様にFFを採用します。スペックも共通で、1.8L直4アトキンソンサイクルエンジンが最高出力99ps/最大トルク14.5kgm、モーターが最高出力82ps/最大トルク21.1kgmとなり、システム最高出力も同一の136psとなっています。
ただし、バッテリーは5人乗り仕様はプリウス同様のニッケル水素式を搭載するものの、7人乗り仕様はリチウムイオン式を採用する点が相違点になります。JC08モード燃費は26.2km/Lで、プリウスの30.4~32.6km/Lよりはやや劣るものの、ミニバンとしては優秀な数値となっています。一方室内は、プリウスと異なる左右対称デザインのインパネを採用する他、後に行くに従い着座位置が高く設定されるシートが特徴となります。
グレード体系は、法人需要を見込んだ廉価グレードの「S L selection」、標準グレードの「S」、充実した装備を持つ上級グレードの「G」、「S」「G」をベースにエアロパーツなどを追加した「S TURING Selection」「G TURING Selection」がラインナップされます。そして2012年10月に一部改良を行い、「G」のみに設定されていた7人乗り仕様が、「S L selection」を除く他のグレードにも展開されました。
次いで2014年11月にマイナーチェンジを実施し、エクステリアデザインの変更によりフロントマスクのイメージを一新すると共に、インテリアデザインも一部変更された他、マルチインフォメーションディスプレイが標準装備されました。又、安全装備として、「レーンディパーチャーアラート」や「オートマチックハイビーム」などが採用されました。
更に12月に、GAZOO Racingの手によるコンプリートカー「G’s」が発売されました。専用フロントマスクやエアロパーツなどにより標準モデルに対し外観の差別化が図られる他、専用スポーティシートを採用するなど内装も一部変更、同時に15mmローダウン仕様のスポーツサスペンションやフロアの剛性アップにより走行性能を向上させたモデルとなっています。