トヨタの大型ミニバン「ヴェルファイア」の初代モデルは、2008年5月の「アルファードG/V」のフルモデルチェンジに伴い、ネッツ店バージョンであった「アルファードV」の後継モデルという形で発売が開始されました。基本設計はトヨペット店バージョンの「アルファード」と同一ながら、方向性の異なるエクステリアにより差別化が図られました。
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2段重ねのヘッドランプが特徴
スタイリングは、「アルファード」同様の1.5ボックス型で基本的なプロポーションも同一ながら、2段重ねのヘッドランプを採用したフロントマスクやクリアタイプのリアコンビネーションランプの採用などにより、上品で洗練されたイメージのアルファードとは対照的な、挑戦的で力強い雰囲気の演出が図られました。
又、先代モデルであるアルファードVやそれ以前の「グランビア」などと比較しても、遥かにアグレッシブで若々しいイメージとなりました。ボディサイズは、全長4,850mm×全幅1,830mm×全高1,890mm~1,905mmでアルファードと全く同一であり、車両重量も同一の1,850kg~2,100kgであるなど、ボディスペック面での相違はありませんでした。
アルファードVと比較すると、全高を除くボディサイズは若干拡大され、車両重量も重くなっていました。プラットフォームは2代目エスティマと共通のもので、ホイールベースはアルファードVよりも50mm長い2,950mmとなりました。サスペンション形式は、前マクファーソンストラット式/後トーションビーム式が踏襲されました。
ヴェルファイアのCM(2008)
パワートレインもアルファードと同一で、発売当初は2.4L直4の2AZ-FE型(最高出力170ps/最大トルク22.8kgm)と、3.5L V6の2GR-FE型(最高出力280ps/最大トルク35.1kgm)の2種類のエンジンが用意され、トランスミッションは前者がCVT、後者が6速トルコン式ATと組み合わせられました。駆動方式もアルファード同様に、FFとフルタイム4WDが選択出来ました(2.4L車の4WDは同年8月に追加)。
アルファードと共に、ハイブリッド車と「G’s」を追加
2011年9月に、アルファードと共にマイナーチェンジを受け、内外装の変更や装備の充実が図られると同時に、アルファード同様にハイブリッドモデルが追加されました。ハイブリッドシステムは、エスティマに先行採用されていた「リダクション機構付THS-Ⅱ」で、2.4L直4の2AZ-FXE型エンジン(最高出力150ps/最大トルク19.4kgm)と前後2個の交流同期型モーターを備える電気式4WDという構成でした。
翌2012年11月には、これもアルファードと共に、トヨタ自身の手によるスポーツコンバージョンモデル「G’s」が追加されました。エンジンはノーマルタイプのガソリン2.4L及び3.5Lながら、ボディ剛性やブレーキを強化し、専用ローダウンサスペンションや専用エアロパーツなどを装着する事により、走行性能の向上が図られていました。
ヴェルファイアは、絶対的な販売台数こそアルファードに及ばなかったものの、単なる「ネッツ店向けのアルファード」という位置付けに留まらず、その個性的なエクステリアにより新たなユーザー層を開拓する事に成功し、独自のポジショニングを確保しました。
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