ボルボ・カーは2016年、新型フラッグシップ4ドアセダン「S90」を発表しました。S90の車名は初代モデルが1998年に生産終了となって以来17年ぶりの復活で、新世代のプラットフォーム「SPA」(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)の採用や、同社最新の安全運転支援システムの導入などが特徴でした。
斬新な空力ボディを採用
スタイリングは、クーペを彷彿とさせる流麗なフォルムや、北欧神話に登場する雷神「トールハンマー」をモチーフとしたヘッドランプなどが備わる斬新なもので、同時にCd値0.26の優れた空力特性を実現していました。ボディ・ディメンションは、全長4,963mm×全幅1,879mm×全高1,443mm、ホイールベース2,941mmというEセグメントに属するものでした。
駆動方式はFFとフルタイム4WDが設定され、エンジンはチューニングの異なる2種類の2L直4ガソリンターボ(最高出力190ps/254ps)と2L直4ガソリンツインチャージド(最高出力320ps)、2L直4ガソリンツインチャージド+電気モーターによるハイブリッド(システム最高出力407ps)、そしてチューニングの異なる3種類の2L直4ディーゼルターボ(最高出力150ps/190ps/235ps)が用意されました。
組み合わせられるトランスミッションは、6速MTおよび6速または8速のトルコン式ATでした。サスペンション形式は、フロント:ダブルウィッシュボーン/コイル式・リア:インテグラルアーム/リーフ式が標準で、リアはオプションでエアサスペンションも用意されました。また、インテリア面では、カーナビ画面の表示も可能なTFTメーターパネルが採用されました。
グレード体系は、ガソリンモデルが190ps版ターボの「T4」と254ps版ターボの「T5」およびツインチャージドの「T6」の3タイプ、ハイブリッドモデルが「T8」の1タイプ、ディーゼルモデルが150ps版の「D3」、190ps版の「D4」および235ps版の「D5」の3タイプのラインナップでした。
15種類以上の安全運転支援システムを採用
安全装備面では、衝突回避・軽減フルオートブレーキシステム、右折時対向車検知機能の「インターセクション・サポート」、および歩行者・サイクリスト・大型動物検知機能から構成される「City Safety」をはじめ、全車速追従機能付ACC、車線維持支援機能の「パイロットアシスト」、道路逸脱回避支援機能の「ランオフロード・ミティゲーション」など、15種類以上の機能が標準装備されました。
その後2016年に、5ドアステーションワゴン版の「V90」と、V90をベースに専用エクステリアや専用サスペンションなどによりクロスオーバー風に仕立てた「V90クロスカントリー」が追加されました。V90のラインナップは、T4の設定がないことをのぞきS90と共通でした。一方V90クロスオーバーは、D4/D5/T5/56の4タイプのラインナップでした。
日本市場には、2017年2月22日に初上陸を果たしました。グレードは、S90が「T5モメンタム」「T6 AWD R-DESIGN」「T6 AWDインスクリプション」の3タイプ、V90が「T5モメンタム」「T6 AWD R-DESIGN」「T6 AWDインスクリプション」「T8 Twin Engine AWDインスクリプション」の4タイプ、V90クロスカントリーが「T5AWDモメンタム」「T5AWDサマム」「T6AWDモメンタム」「T6AWDサマム」のラインナップとなっています。