マセラティは1992年末に、初代モデルが生産終了となって以来19年ぶりに「ギブリ」の車名を持つニューモデルを発表しました。キャラクターは高性能な2シーター・スーパースポーツとして設計された先代とは大きく異なり、主力小型車「ビトゥルボ」から発展した「222」の後を継ぐ4シーター・スポーツクーペでした。
シャマルに類似したスタイリング
スタイリングは、222から直線基調の2ドアノッチバックボディを踏襲しつつ、張り出した前後のブリスターフェンダーやトランクリッドのハイデッキ化により、上級モデル「シャマル」に似た雰囲気を醸すものとなりました。ボディサイズは全長4,215mm×全幅1,775mm×全高1,310mmで222よりも一回り大きく、ホイールベースは同一の2,515mmでした。
又、車両重量は大人一人分程重い1,365~1,375kgとなっていました。サスペション形式は228と同様のフロント:マクファーソンストラット式/リア:セミトレーリングアーム式で、その他フロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式ブレーキや、ラック&ピニオン式のステアリング形式もそのまま受け継がれました。
222譲りのエンジンをパワーアップ
駆動方式はFRを踏襲し、エンジンも222から2.8L V6ツインターボと2L V6ツインターボがキャリオーバーされました。スペックは前者が最高出力284ps/6,000rpm・最大トルク42kgm/3,500rpm、後者が最高出力306ps/6,250rpm・最大トルク38kgm/4,250rpmで、共に222時代からアウトプットの大幅な向上が図られていました。
トランスミッションは、2.8Lには5速MT(後に6速MTに置換)又は4速トルコン式ATが、2Lには6速MTが組み合わせられました。パフォーマンスは、2.8Lが最高速度250km/h・0-100km/h加速6s、2Lが最高速度255km/h・0-100km/h加速5.7sで、2L車の方がむしろ高性能でした。又、初代モデルとの比較では最高速度は劣るものの、加速性能は向上していました。
そして1994年にマイナーチェンジを受け、インテリアやホイールのデザイン変更、電子制御サスペンションの採用やABSの追加が行われました。次いで1996年に、サスペンションやトランスミッションに改良を加え、1インチアップの17インチホイールを装着する「ギブリGT」が追加されました。
更に翌1997年には、チューンナップされた2Lエンジンを搭載すると共に足回りを強化し、カーボン製の内装を採用したワンメイクレース仕様の「ギブリカップ」が追加されました。エンジンは最高出力が330ps/6,500rpmまで高められ、最高速度270km/h・0-100km/h加速5.6sのパフォーマンスを発揮しました。
2代目ギブリは、後継モデル「3200GT」が登場する前年の1997年に生産終了となりました。日本市場にはギブリ2.8L仕様やギブリカップが導入されたものの、後者の最高出力は306ps/6,250rpmにドロップしていました。