トヨタは2007年8月に、初代「クルーガー」の実質的な後継モデルとなる新型ミディアムクラス・クロスオーバーSUV「ヴァンガード」を発売しました。クルーガーが「ハリアー」の姉妹車種であったのに対し、ヴァンガードは「RAV4」の北米仕様とプラットフォームを共有し、「アクティブ&ラクシャリー」をテーマに内外装の上質感が追求されました。
パワートレインは2種類
ボディサイズは全長4,570mm×全幅1,855mm×全高1,690mmで、クルーガーよりも全幅が拡大された一方、全長と全高は縮小されました。ホイールベースは55mm短い2,660mmで、車両重量はほぼ同等の1,590~1,710kgでした。室内のシート配列は、クルーガー同様2列シート5人乗り仕様と3列シート7人乗り仕様が設定されました。
サスペンション型式は、RAV4と同じフロント:ストラット式/リア:ダブルウィッシュボーン式が採用されました。駆動方式は発売当初はフルタイム4WDのみの設定で、エンジンはRAV4にも搭載される2.4L直4の2AZ-FE型(最高出力170ps/最大トルク22.8kgm)と、ハリアー用の3.5L V6の2GR-FE型(最高出力280ps/最大トルク35.1kgm)が用意されました。
SUVらしい装備を搭載
トランスミッションは、2AZ-FE型にはCVTが、2GR-FE型には5速トルコン式ATが組み合わせられました。SUVらしい装備としては、エンジン・ブレーキ・ステアリングを協調制御して走破性を高める「S-VSC+アクティブトルクコントロール4WD協調制御」や、坂道発進をアシストする「ヒルスタートアシスト」、急な下り坂で一定の速度を維持出来る「ダウンヒルアシストコントロール」が全車に標準装備されました。
又、安全装備としては、SRSデュアル&サイド&カーテンエアバッグシステムやEBD付きABSが全車に標準で備わりました。グレード体系は2.4Lが「240S」、3.5Lが「350S」のモノグレードが基本で、それぞれに本革+アルカンターラ表皮のシートヒーター付きマルチアジャスタブルパワーシートを採用する「Gパッケージ」が設定されました。
そして2008年8月の一部改良で、内外装色の追加と共に運転席・助手席にアクティブヘッドレストが装備されました。同時に、2.4L車に優れた環境性能と低燃費を実現したFFモデルが追加されました。次いで2010年2月のマイナーチェンジで内外装のデザイン変更と共に、カラードオーバーフェンダーや18インチアルミホイールなどが備わる「Sパッケージ」が設定されました。
同時に、2.4L車の燃費が0.2km/L改善されると共に、パドルシフトが装備されました。次いで2012年9月に、240S Sパッケージをベースに専用の内外装加飾を施した特別仕様車「240S Sパッケージ・アルカンターラリミテッド」が設定されました。そして2013年11月に生産終了となり、ヴァンガードの車名は1代限りで消滅しました。